◎会場には親ロシア派、共産主義者、ネオナチ支持者、反米主義者なども姿を見せ、異様な空気に包まれていた。
2023年2月25日/ドイツ、ベルリンのブランデンブルク門前、ウクライナ侵攻の和平交渉を求める集会(Markus Schreiber/AP通信)

ドイツの首都ベルリンで25日、ウクライナ侵攻終結に向けた和平交渉の開始を求める集会が開かれ、数千人が参加した。

ドイツ通信社(dpa)などによると、会場には親ロシア派、共産主義者、ネオナチ支持者、反米主義者なども姿を見せ、異様な空気に包まれていたという。

SNSには「主催者は極右と極左を集会から排除することに失敗した」「プロパガンダ集会の中止を求める」などといった批判的なコメントが多数寄せられている。

主催者のひとりである左派のワーゲンクネヒト(Sahra Wagenknecht)議員は演説で、「ネオナチに居場所はないが、素直な心で平和を望む人は誰でも歓迎する」と語った。

ある参加者は「米国人は帰れ」というプラカードを掲げ、ロシアの国旗を振る人もいた。

ワーゲンクネヒト氏は、「ショルツ(首相)はロシアを破滅させようとしている」と主張し、「政府は今すぐ、和平交渉再開のためにモスクワに申し出るべきだ」と語った。

もうひとりの主催者である著名なフェミニスト作家のシュワルツァー(Alice Schwarzer)氏は、「左翼と右翼を越えて平和を確立する時が来た」と語った。

ベルリン警察はデモ参加者を約1万3000人と推計したが、主催者は5万人と主張した。

AP通信の取材に応じた男性は「東欧諸国がロシアを恐れるのは当然だ」と語った。「プーチンは馬鹿ですが、交渉の余地なしと一刀両断するのではなく、新たな解決策を見出す必要があると思います...」

公共放送ARDによると、ベルリンを含む多くの都市でウクライナを支持する集会やイベントが開催されたという。ブランデンブルク門前で24日に開かれたウクライナを支持する集会には約1万人が参加した。

一方、ショルツ(Olaf Scholz)首相は今週放送されたテレビインタビューで、「現時点で和平交渉の見通しは立っていない」と述べた。

ショルツ氏はプーチン(Vladimir Putin)大統領が考えを改めない限り、和平交渉再開はあり得ないという認識を示した。「国際社会はウクライナの無条件降伏と併合を目指す男がロシアを率いていると理解する必要があります...」

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