◎ガス料金はこの1年で130%、電気は85%、燃料は57%それぞれ上昇した。
2022年11月9日/ベルギー、首都ブリュッセル、インフレに抗議するデモ(Getty Images/EPA通信)

ベルギーで9日、食料や燃料などの価格高騰に抗議する全国規模のストライキが行われた。

報道によると、ブリュッセルなどの主要都市では公共交通機関の運行本数が最小限に抑えられた影響で大渋滞が発生したという。

労働組合で構成される連合は賃上げと労働環境の改善を求めている。

カトリック系の労働組合ACVは声明で、「電気、ガス、食料の価格はこの1年で急騰した」と述べている。「ロシアの侵略戦争が原因であることは明らかですが、一部の企業は利益を上げているにもかかわらず、それを組合員に還元していません...」

ブリュッセルの抗議デモに参加したという男性はSNSに、「インフレ率を賃金に反映させなければ、労働者は干上がってしまう」と投稿している。

報道によると、電車とバスの運行本数は最小限に抑えられ、各地で大渋滞が発生したという。ブリュッセル空港は便の6割が欠航。シャルルロワ空港は閉鎖された。

ブリュッセルでは地下鉄1路線のみが運行され、バスや路面電車は運休した。市内の医療機関で働く職員のおよそ3分の2がストに加わったと伝えられている。

ベルギー政府は低所得者層をエネルギー・インフレ危機から救うための措置をいくつか講じてきた。

しかし、多くの専門家が税金の一部見直しや補助金支給などの措置を焼け石に水と呼んでいる。

連合によると、ガス料金はこの1年で130%、電気は85%、燃料は57%それぞれ上昇したという。食料品の値上がりも続いている。

ベルギーは生活費が上がれば給与、年金、福利厚生も上がるという賃金スライド制を導入している。しかし、労組によると、この制度には燃料価格の値上がりが考慮されていないため、人口の大多数を占める低中所得者層数百万人が厳しい生活を余儀なくされているという。

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