◎ビアリアツキー氏は昨年、ロシアの人権団体「メモリアル」およびウクライナの人権団体「市民自由センター」と共にノーベル平和賞を受賞した。
ベラルーシ、首都ミンスクの裁判所、人権活動家のビアリアツキー氏(Getty Images)

ベラルーシの裁判所は5日、2022年のノーベル平和賞受賞者である人権活動家ビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏の公判を開いた。

ビアリアツキー氏と人権団体「ビアスナ人権センター」の幹部2人は反政府デモに資金を提供した罪で逮捕・起訴され、有罪が確定した場合、12年以下の禁固刑を科される可能性がある。

3人は2020年の大統領選に抗議する集会の後に逮捕された。

欧州最後の独裁者と呼ばれるルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は票の90%を獲得したと主張したが、デモ隊はこれを認めず、数十万人規模の抗議デモを開いた。

ルカシェンコ氏は反対派を弾圧。独立系メディアや団体を取り締まり、デモを圧殺した。

2020年の抗議デモは数カ月間続き、ベラルーシ史上最大規模となった。治安部隊の厳しい取り締まりにより3万5000人以上が逮捕され、数千人が残酷に殴打された。

検察はビアリアツキー氏らがデモに資金を提供し、逮捕された人々の弁護士費用を工面したと主張している。

ビアスナ人権センターの弁護士は5日、AP通信の取材に対し、「これは裁判ではなく粛清である」と語った。「ルカシェンコはビアリアツキー氏とビアスナに汚名を着せ、政府に逆らった者は同じ末路をたどると活動家を脅しているのです...」

弁護士によると、ビアリアツキー氏は昨年末の公判前整理手続きに出席できず、妻が代理で証言したという。

ビアリアツキー氏は昨年、ロシアの人権団体「メモリアル」およびウクライナの人権団体「市民自由センター」と共にノーベル平和賞を受賞した。

2020年8月/ベラルーシ、首都ミンスクの抗議デモ(Getty Images/AFP通信)
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