◎独裁者のルカシェンコ大統領は反対派を鉄拳でねじ伏せ、30年近く政権を堅持している。
ベラルーシ、首都ミンスクの抗議デモ(AP通信)

ベラルーシ当局は20日、海外に拠点を置く野党議員らを取り締まる一環として、全国一斉家宅捜索を開始すると発表した。

独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は反対派を鉄拳でねじ伏せ、30年近く政権を堅持している。

国家警察は声明で、「過激派に指定されている野党勢力が海外に独自の大使館を設置しようとしていることを受け、一斉取り締まりを開始するよう関係当局に命じた」と明らかにした。

それによると、警察は野党の元議員や関係者とつながりのある民家、アパート、事務所などを捜索する予定だという。

亡命を余儀なくされた議員らで構成される野党連合はEU加盟国、イギリス、カナダ、オーストラリア、ブラジルを含む少なくとも24カ国に「ルカシェンコのプロパガンダ」に対抗する人民大使館を設立すると発表している。

国家警察の報道官は声明で、「過激派に指定されている野党勢力は偽物の大使館を設置し、我が国の信用を失墜させようとしている」と非難。「過激派たちは外交官の業務を妨害し、安全保障政策に影響をもたらそうとしている」と主張した。

それによると、この活動に参加したとしてとされる100人以上が過激派への関与で逮捕、訴追される可能性があるという。

ベラーシ人権団体「ビアスナ人権センター」は今月初め、2020大統領選以来、少なくとも4690人が政治的動機による罪で有罪判決を受けたと明らかにしていた。

ロシアによるウクライナ侵攻を支援するルカシェンコ氏は2020大統領選で再選を主張。反対派で鉄拳でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕、数千人を殴打した。

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