◎ポーランド政府は共産主義時代に建設された記念碑の解体作業を24日から開始したが、この記念碑に兵士は埋葬されていない。
ポーランドの墓地(Getty Images)

ポーランド政府は25日、隣国ベラルーシが第二次世界大戦中にソ連軍兵士と戦い死亡したポーランドのレジスタンスの墓がある記念施設を破壊していると報告した。

ポーランド外務省の報道官はツイッターに、「ベラルーシ西部にあるポーランドレジスタンスの墓が整地されている」と投稿している。

また報道官は「英雄の記憶を消すことは大きな間違いであり、ルカシェンコ政権はこの野蛮な行為の代償を支払うことになる」と非難した。

公共放送ポーランド・テレビ(TVP)によると、この疑惑はベラルーシで生活するポーランド系少数民族の報告に基づくものだという。

ポーランド政府は共産主義時代に建設された記念碑の解体作業を24日から開始したが、この記念碑に兵士は埋葬されていない。

報道によると、ベラルーシ政府はこの疑惑に関する声明を出しておらず、ポーランドの解体作業が関連しているかどうかも不明。ルカシェンコ政権はこの1カ月でポーランドの戦没者墓地2カ所を解体している。

ポーランド政府がルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の反対派を支援して以来、ルカシェンコ政権は国内のポーランド系少数民族に対して厳しい措置を取り、その指導者を逮捕してきた。

ベラルーシはロシアのウクライナ侵攻を強く支持し、ロシア軍に領土を提供している。

ポーランドは多くの近隣諸国と同様に、第二次世界大戦中にナチスとソ連に侵略・占領され、その後1989年までその統治に耐えてきた。

共産主義の終焉以来、公共スペースからそのシンボルを取り除く措置がとられてきた。ポーランド政府はロシアの侵攻後、ソ連の記念碑撤去を加速させている。しかし、赤軍兵士の墓地には手を出していない。

ベラルーシ西部にある戦没者墓地にはナチス・ソ連と戦ったレジスタンスやポーランド軍の兵士数十人が眠っている。

ポーランド人民共和国時代、ポーランド人は赤軍兵士と戦い命を落としたポーランド人の記憶を公に称えることを禁じられていた。

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