◎ロシア軍は東部ルハンシク州を制圧し、その南西に位置するドネツク州の完全制圧を目指しているとみられる。
2022年7月17日/ウクライナ、中部ビンニツァ、ロシア軍のミサイル攻撃で死亡した少女の葬儀(Efrem Lukatsky/AP通信)

ウクライナ政府は18日、東部ドンバス地方に対するロシア軍の砲撃で少なくとも6人が死亡したと発表した。

東部ドネツク州政府によると、郊外の住宅地が砲撃を受け、現地で5人の死亡を確認し、1人が搬送先で死亡したという。

ウクライナ軍は声明で、「ロシア軍はドネツク州スラビャンスク制圧を目指し、部隊を再編制しているように見える」と指摘した。

ロシア軍は東部ルハンシク州を制圧し、その南西に位置するドネツク州の完全制圧を目指しているとみられる。

ルハンシク州知事によると、同州から撤退したウクライナ軍は同州とドネツク州の州境付近でロシア軍と激戦を繰り広げているという。

ドネツク州の前線の様子はほとんど明らかにされていないが、英国防省はウクライナ軍が西側諸国から供与された最新兵器を駆使してロシア軍と互角に渡り合っているという見方を示している。

ロシアのショイグ(Sergei Shoigu)国防相は18日、ウクライナの長距離兵器と大砲の破壊に注力するよう部隊に命じた。

ロシア国営メディアによると、ショイグ氏はウクライナ軍の長距離兵器が東部のロシア支配地域の住宅地、小麦畑、穀物貯蔵サイロを破壊していると主張したという。

ロシア国防省は別の声明で、「ドネツク州郊外の集落をミサイルで攻撃し、ウクライナ軍に加担する傭兵最大250人を殺害、装甲車19台を破壊した」と主張した。

ウクライナ政府はこの声明に関するコメントを発表していない。

一方、英国防省によると、米国から供与された高軌道ロケット砲システム「ハイマース」などの長距離兵器が戦場で違いをもたらしているという。

ハイマースはロシア軍が使用する長距離兵器より精度が高く、最大射程は300kmを超えるとされる。

ロシア軍はドンバス以外の地域にもミサイルを手当たり次第に撃ち込んでいる。

南部オデーサ州政府は18日、ロシア軍のミサイル2発が軍事施設に着弾したと報告した。ミサイルが着弾した日時は明らかにしていない。

オデーサのウクライナ軍によると、ミサイルは黒海から撃ち込まれたという。死傷者は確認されておらず、軍事施設で発生した火災はおおむね鎮火したとしている。

英国防省は18日、ロシア軍が前線の力を強化するために、民間軍事企業「ワグネル(Wagner)」の傭兵を動員していると報告した。

同省によると、ワグネルの傭兵はルハンシク州に配備されたという。同省は、「その多くが必要な訓練を受けておらず、士気の低下を招いている」と指摘した。

さらに同省は、「ロシアは南部の支配地域を防衛するために、防衛体制を強化している」という見方を示した。

ウクライナ軍はロシアの支配下に置かれた南部ヘルソン州とザポリージャ州を奪還すると宣言しており、ヘルソンに配備されたロシア軍への攻撃を開始している。

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