◎バルト三国はEU全加盟国に同様の規則を導入するよう求めている。
2022年7月7日/ポーランドとカリーニングラード州(ロシア)の国境付近(Michal Dyjuk/AP通信)

エストニア、ラトビア、リトアニア政府は19日、ロシア人の入国をさらに厳しく制限すると発表した。

バルト三国とポーランドの首相は今月初め、ロシア人の入国を原則認めないことで合意していた。

リトアニア内務省は声明で、「ロシアは予測不可能な国家であり、その国民の4分の3がウクライナ侵攻を支持している」と述べ、決定を擁護した。

また同省は、19日未明にロシア人11人を入管で止めたと明らかにした。11人はポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの飛び地カリーニングラード州とベラルーシから陸路で入国しようとしたという。事件性はないとみられる。

新しい規則により、人道的な理由、EU圏内に家族がいる人、反体制派、外交官、交通機関の職員、シェンゲンビザを持つロシア人も入国できなくなった。

ポーランド内務省もロシア人の入国をほぼ完全に禁じる規則を9月26日に施行する予定だ。

同内務省によると、今年ロシアからポーランドに入国したロシア人は19日時点で約6万5000人。これは昨年とほぼ同じ水準だが、コロナ拡大前の10分の1以下である。

エストニア外務省はロシア人の入国を安全保障上の脅威と呼んだ。

エストニアに渡ったロシア人はウクライナ侵攻開始以来、数十万人に達したと報告されている。

バルト三国は、シェンゲン協定加盟国から入国を試みるロシア人を止めることはできない。

EU22カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの26カ国からなる「シェンゲン圏」のビザを持っている個人は、その圏内であれば国境検査を受けずに入国できる。

バルト三国はEU全加盟国に同様の規則を導入するよう求めている。

EUはロシア便の入国を禁じているが、陸路での入国は可能であり、多くのロシア人がフィンランドやエストニアなどで飛行機に乗り換え、EU圏内を移動している。

スポンサーリンク