◎8日未明時点の開票率は93%。現職のアリエフ大統領の得票率は92%を超えている。
2023年11月8日/係争地ナゴルノカラバフのステパナケルト、アゼルバイジャン軍の軍事パレード(Azerbaijani Presidential Press Office/AP通信)

欧州安保協力機構(OSCE)は8日、アゼルバイジャンの大統領選が政治的競争のない制限された環境下で行われたと報告した。

選挙管理委員会によると、8日未明時点の開票率は93%。現職のアリエフ(Ilham Aliyev)大統領の得票率は92%を超えている。

国営テレビは8日、3人の主要な挑戦者が敗北を認め、アリエフ氏に祝意を表したという。

アリエフ氏は昨年末、2025年に予定されていた大統領選を2月7日に前倒しすると発表。理由は明らかにしていない。

アリエフ氏の支持率は隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフを奪還したことで急上昇し、野党を圧倒していた。大統領の任期は7年。2009年の憲法改正で3選禁止が撤廃された。

OSCEの選挙監視団は声明で、「アゼルの大統領選は制限された環境下で行われ、政府与党に批判的な声が封じられた」と主張した。

また同監視団は「アリエフ氏に本気で対抗する野党候補はひとりもおらず、独立系メディアや市民団体、その他の政党による批判の声はかき消され、公平・公正と呼べるものではなかった」と批判した。

さらに、アゼルのメディアは野党候補のことをほとんど報じず、大統領選を分析することもなく、有権者が求める情報は皆無だったと述べた。

ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

アゼル政府は9月、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍による集中砲火を受けたナゴルノカラバフの分離主義勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。

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