◎オーストリアはEU加盟国だがNATOには加盟していない。
2022年4月9日/ウクライナ、首都キーウの政府庁舎前、ゼレンスキー大統領とオーストリアのネハンマー首相(Getty Images/AFP通信)

オーストリアのネハンマー首相は10日、ロシアを訪問しプーチン大統領と会談すると発表した。

ウクライナ侵攻後、欧州の指導者がプーチン大統領と直接会談するのは初めて。ネハンマー首相は11日にロシアを訪問するとツイッターで明らかにし、人道回廊の設置と停戦、そして戦争犯罪の完全な調査が必要と強調した。

またネハンマー首相はロシア訪問について欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長、欧州理事会のミシェル議長、ドイツのショルツ首相、トルコのエルドアン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領ら欧州パートナーに報告したことも明らかにした。

ロシアのペスコフ報道官も国営RIA通信の取材に対し、「ネハンマー首相は11日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する」と述べた。

プーチン大統領は開戦以来、西側指導者との接触を避けてきたが、3月初旬にはイスラエルのベネット首相と会談している。

中立国オーストリアはウクライナに人道支援を提供し、兵器ではなく民間向けのヘルメットや防弾ベストなどを供与している。

ネハンマー首相は9日のキーウ訪問でゼレンスキー大統領と会談した際、目に涙を浮かべ、ウクライナを強く支持すると表明していた。

オーストリアはEU加盟国だがNATOには加盟していない。

オーストリア政府はロシアのウクライナ侵攻を強く非難し、今週外交官4人を追放している。

EUは先週、ロシア産石炭の禁輸を承認した。EUがロシアのエネルギー部門に制裁を科すのは初めてで、加盟27カ国はロシア船籍の入港も禁じるとした。

国連難民高等弁務官事務所によると、侵攻以来、ウクライナから逃れた難民の数は約450万人に達し、そのうち約260万人が隣国ポーランド、68万人以上がルーマニアに避難した。

オーストリアは国内で消費する天然ガスの約80%をロシアに依存しており、ガスの禁輸は国の経済に極めて深刻な影響を与えると予想されている。

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