◎ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2021年2月25日/アルメニア、首都エレバン、パシニャン首相(AP通信)

アルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相は18日、アゼルバイジャン政府と係争地ナゴルノカラバフに関する平和条約で原則合意したにもかかわらず、アゼル政府の外交政策を批判した。

ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

アゼル政府は9月、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍による集中砲火を受けたナゴルノカラバフの分離主義勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。

降伏後、ナゴルノカラバフのアルメニア系住民約12万人の大半がアルメニアに避難した。

パシニャン氏は18日、欧州安保協力機構(OSCE)の総会で演説し、「アゼルと和平で合意に至ったことは良いことだ」と述べた。

その原則にはアルメニアとアゼルが互いの領土を承認することが含まれている。

しかし、アルメニアの国営通信社は18日、パシニャン氏の発言を引用し、「アルメニアとアゼルの和平プロセスにおいては、良いニュースと悪いニュースがある」と報じた。

パシニャン氏はアゼル政府が先月発表した平和条約の詳細に言及していないことに不満を表明した。

またパシニャン氏はアゼル政府高官がアルメニアを「西アゼルバイジャン」と呼んだことを非難し、「アゼル政府はアルメニア全土を併合する可能性を排除していない」と主張した。

一方、アゼル政府は16日、米国で来月予定されているナゴルノカラバフに関する国交正常化交渉に参加しないと発表した。

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