◎両政府は先週、戦争捕虜の交換と平和条約締結に向けた作業を開始することで合意した。
2020年9月27日/ナゴルノ・カラバフ、戦闘エリアから避難する住民(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

アルメニアとアゼルバイジャンは13日、係争地ナゴルノカラバフに関する合意に基づき、戦争捕虜を解放した。

両政府は先週戦争捕虜の交換と平和条約締結に向けた作業を開始することで合意。EUはこれを高く評価し、和平協議を加速させるよう呼びかけていた。

地元メディアによると、アゼルは捕虜となったアルメニア兵32人を。アルメニアはアゼル兵2人を解放したという。

ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

アゼル政府は今年9月、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍の集中砲火を受けたナゴルノカラバフの反政府勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。

これにより、30年にわたるアルメニア人支配に終止符が打たれ、市民約12万人がアルメニアに逃れた。

両政府は先週の共同声明で、「両国は待望の和平を達成するという見解を共有する」と述べた。

また両政府は「主権・領土保全の原則の尊重を基礎として、関係を正常化し、平和条約を締結するつもりだ」と述べた。

さらに「より強固な信頼関係を確立する協議を継続する」と約束し、国際社会に対し、両国間の相互信頼の構築に寄与する支援を求めた。

この共同声明は両国が相互不信の中、和平プロセスの概要について数ヶ月間議論した末に発表された。

この合意の一環として、アルメニアはアゼルが来年の気候変動に関する国際会議を主催することへの反対を撤回することに合意した。

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