◎テイト容疑者は女性軽視発言で物議を醸している元キックボクサーの英国系米国人SNSインフルエンサーであり、昨年末、人身売買に関与した疑いで弟と一緒に逮捕された。
ルーマニア当局は11日、首都ブカレストの裁判所が人身売買に関与した疑いで逮捕されたアンドリュー・テイト(Andrew Tate)容疑者の資産差し押さえに対する異議申し立てを棄却したと明らかにした。
テイト容疑者は女性軽視発言で物議を醸している元キックボクサーの英国系米国人SNSインフルエンサーであり、昨年末、人身売買に関与した疑いで弟と一緒に逮捕された。
地元メディアなどによると、ブカレストの高裁は10日、地方裁が昨年末に出した勾留期間を24時間から30日に延長する決定も支持したという。
さらに高裁は、地検による不動産や高級車の差し押さえに対するテイト兄弟の異議申し立てを棄却した。
地元メディアは判事の声明を引用し、「押収は合法である」と報じた。
地検はこれまでに高級車15台を押収し、そのうち少なくとも7台はテイト兄弟名義だという。また10軒以上の不動産やテイト兄弟の会社が所有する土地も押収したと報告されている。
地元メディアによると、テイト兄弟の異議申し立てに押収されたすべての資産が含まれるかどうかは不明。
AP通信はこの事件に詳しい関係者の話を引用し、「地検が押収した物件と人身売買のつながりを立証できれば、テイト兄弟の資産は被害者への補償などに充てられる可能性がある」と報じている。
テイト兄弟の弁護士は10日、記者団に対し、「資産差し押さえと嫌疑は不釣り合いである」と主張していた。
地元メディアは昨年末、関係者の話を引用し、「捜査当局はテイト兄弟のグループに性的搾取されたとされる女性6人を特定した」と報じた。それによると、グループは女性たちに好意を示して誘い出し、暴力・脅迫・監視下に置き、ポルノ制作を強要したという。
テイト容疑者は2017年からルーマニアに住んでいるとされ、女性差別的な見解やヘイトスピーチを何度もSNSに投稿し、物議を醸していた。