◎活動家たちはエジプトで6日に開幕するCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)に先立ち、世界の指導者に行動を促した。
2022年11月5日/オランダ、首都アムステルダムのスキポール空港、プライベートジェットの離陸を阻止する環境活動家たち(Getty Images)

オランダの首都アムステルダムにあるスキポール空港で5日、環境活動家たちが抗議デモを決行し、温室効果ガスを垂れ流すプライベートジェットの離陸を阻止した。

スキポール空港の滑走路に侵入した数百人はエジプトで6日に開幕するCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)に先立ち、世界の指導者に行動を促した。

報道によると、デモの主催者はグリーンピースと変動対策を求める市民団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)」の活動家。

XRの活動家たちはプライベートジェットの前に座り込み、グリーンピースの活動家たちは滑走路を自転車で走り回った。

グリーンピースの活動家はAP通信の取材に対し、「飛行機の数を減らし、列車を増やし、不必要な短距離飛行とプライベート・ジェットの廃止を望んでいる」と語った。

アムステルダム警察によると、デモに参加した数人を逮捕したという。罪状は明らかにしていない。

スキポール空港は声明でグリーンピースの公開書簡に言及し、「私たちは2030年までに排出ガスを出さない空港に、2050年までに気候変動に左右されない空港になることを目指す」と述べている。

世界の指導者120人以上が6日に開幕するCOP27に参加する予定だ。開催地はエジプトのリゾート地シャルムエルシェイク。

地球温暖化は洪水や山火事のリスクを高め続けている。

主要国は7年前のCOP21で地球の気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス2度以下、可能であれば1.5度以下に抑えることに合意した。

昨年のCOP26の共同宣言では、気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス1.5度以内に抑えるという「努力目標」を世界の共通目標として初めて明記した。

しかし、国連によると、産業革命以来、地球の平均気温はすでに1.1度上昇しており、世界が温室効果ガスの排出量を大幅に削減しない限り、気温の上昇は続くという。

その影響を最も強く受けているのがアフリカ諸国であり、ケニア、エチオピア、ソマリアなどの東アフリカでは歴史的な干ばつが続き、数千万人が飢餓に直面。スーダン、南スーダン、ナイジェリアなどでは大雨による洪水で数千人が死亡、数百万人が避難生活を呼びなくされている。

COP27では温室効果ガスのさらなる削減や、気候変動の影響に悩む貧しい国々への財政支援の強化などが議論される見込み。ドイツ政府は先月、成果文書を採択できる保証はないと警告した。

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