◎ナワリヌイ氏はこれまでウラジーミル州のIK-2刑務所に収容されていた。
2022年1月17日/ロシアの裁判所、野党指導者のナワリヌイ氏(Denis Kaminev/AP通信)

ロシアの国営メディアは14日、服役中の野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が別の刑務所に移送されたと報じた。

ナワリヌイ氏を支援する団体は同日、同氏が収容された刑務所から別の場所に移され、行方が分からなくなったと警告していた。

国営メディアは公安トップのコメントを引用し、「ナワリヌイはウラジーミル州内にあるIK-6刑務所に移送された」と報じている。

ロシア当局は移送の理由を明らかにしていない。ナワリヌイ氏を支援する団体は安否を心配していた。

ナワリヌイ氏が設立した団体の報道官はSNSに、「アレクセイがどこにいるのか分からない」と投稿していた。

ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の側近であるボルコフ(Leonid Volkov)氏は14日、テレグラムに、「アレクセイの弁護士が刑務所に面会に行ったところ、ここにそのような囚人はいないと言われた」と投稿している。「アレクセイが今どこにいるのか、どの刑務所に連れて行かれたのか、我々は知りません...」

ナワリヌイ氏の弁護士であるミハイロワ(Olga Mikhailova)氏は14日、タス通信のインタビューの中で、「ナワリヌイ氏が最高セキュリティの刑務所に移送されたと聞いたが、どの刑務所かは聞いていない」と語った。

ナワリヌイ氏はプーチン(Vladimir Putin)大統領の独裁に断固として反対する指導者のひとりで、旧ソ連の神経ガス「ノヴィチョク」で暗殺されかけたものの、九死に一生を得た。

ナワリヌイ氏は昨年1月、治療先のドイツから帰国した直後に逮捕、起訴され、禁固刑を言い渡された。先月末には上訴を棄却され、禁固9年の有罪判決が確定している。

ナワリヌイ氏の側近は刑事責任に問われ、多くが国外に逃亡した。また同氏が立ち上げた組織はテロ組織に指定され、解散を余儀なくされている。

現地メディアによると、ナワリヌイ氏はこれまでウラジーミル州のIK-2刑務所に収容されていた。この刑務所は国内で最も厳しい刑務所のひとつと恐れられている。

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