◎ルカシェンコ氏は欧州最後の独裁者と呼ばれ、1994年から同国を統治し、鉄の拳で反対意見を弾圧してきた。
2023年5月9日/ロシア、首都モスクワ、対独戦争記念日の式典、ベラルーシのルカシェンコ大統領(中央)(Getty Images/AFP通信)

ベラルーシの独裁者ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が主要な式典を欠席し、体調を崩したのではないかという憶測を呼んでいる。

ルカシェンコ氏は14日の「国旗・国章・国歌の日」の式典で毎年演説していたが、今年は姿を見せず、首相が声明を代読した。

ルカシェンコ氏はロシアの首都モスクワで9日に行われた対独戦勝記念日の軍事パレードに出席した際も、盟友プーチン(Vladimir Putin)大統領との昼食もそこそこにモスクワを離れたと伝えられている。

当時、ルカシェンコ氏の右手には包帯が巻かれ、明らかに疲れているように見えた。

ルカシェンコ氏が最後に公の場に姿を見せたのはモスクワから戻った数時間後、ベラルーシの戦勝記念日に首都ミンスクで記念碑に花を手向けた時だった。

一部の野党議員はSNSに、「ルカシェンコ氏は13日夜にミンスク郊外の大統領府医療センターを訪れた」と投稿したが、事実か否かは不明である。

大統領府は今のところルカシェンコ氏の体調に関する声明を出していない。

ルカシェンコ氏は欧州最後の独裁者と呼ばれ、1994年から同国を統治し、鉄の拳で反対意見を弾圧してきた。

2020年の大統領選では開票後に野党が主催した数十万人規模のデモを力でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕、数千人を殴打し、数十の報道機関やNGOに閉鎖を命じた。

欧米諸国はルカシェンコ政権や国営企業に厳しい制裁を科したが、ルカシェンコ氏はプーチン氏の支援を受け、政権を維持している。

昨年はロシアのウクライナ侵攻を支持し、ロシア軍の駐留を許可。ベラルーシ領からウクライナに多くのロシア兵が流れ込み、激しい戦闘が勃発した。

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