◎1999年、プーキシン氏は首都ミンスクの大統領府前に糞尿を乗せた一輪車を投棄した罪で禁固2年の実刑判決を受けた。
1999年7月21日/ベラルーシ、首都ミンスクの大統領府前、糞尿を詰めた一輪車とルカシェンコ大統領の写真(AP通信)

ベラルーシの大統領府前に糞尿を投棄したことで知られる芸術家が獄中で亡くなった。地元の人権団体が11日、明らかにした。

人権団体「ビアスナ人権センター」によると、芸術家のプーシキン(Ales Pushkin)氏は西部の刑務所で亡くなったという。57歳だった。

プーシキン氏の妻はAP通信の取材に対し、「夫は刑務所内の集中治療室で亡くなったと聞いたが、それ以上のことは分からない」と語った。

ベラルーシ当局はコメントを出しておらず、死因も不明である。

プーシキン氏は独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領を批判する活動家のひとりであり、ある都市の教会のフレスコ画に機動隊に囲まれたルカシェンコ氏を描いてことなどで知られている。

1999年、プーキシン氏は首都ミンスクの大統領府前に糞尿を乗せた一輪車を投棄した罪で禁固2年の実刑判決を受けた。

プーキシン氏はその後も反政府デモに積極的に参加し、2021年3月に逮捕され、扇動罪などで禁固5年を言い渡された。

ルカシェンコ政権は2020年8月の不正大統領選に抗議するデモを厳しく取り締まり、3万5000人以上を逮捕。独立系メディアやNGOを閉鎖に追い込んだ。

ビアスナによると、ベラルーシの刑務所には1500人近い政治犯が収監されている。

リトアニアに亡命した野党指導者チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏ツイッターに声明を投稿。プーキシン氏が亡くなった経緯を調査するよう要求した。

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