◎ビアリアツキー氏はベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」の創設者であり、昨年、ロシアの人権団体「メモリアル」およびウクライナの人権団体「市民自由センター」と共にノーベル平和賞を受賞した。
2023年1月5日/ベラルーシ、首都ミンスクの裁判所、人権活動家のビアリアツキー氏(Vitaly Pivovarchyk/BelTA/Pool/AP通信)

ベラルーシ人権活動家で昨年ノーベル平和賞を受賞したビアリアツキー(Ales Bialiatski、服役中)氏が独房に移された。現地メディアが7日に報じた。

それによると、刑務所当局は持病のあるビアリアツキー氏を劣悪な環境の独房に無理やり押し込んだという。

ビアリアツキー氏はベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」の創設者であり、昨年、ロシアの人権団体「メモリアル」およびウクライナの人権団体「市民自由センター」と共にノーベル平和賞を受賞した。

ベラルーシ地裁は今年3月、公序良俗に反する行為と密輸に関与した疑いでビアリアツキー氏に禁固10年を言い渡した。同氏は検察の主張を「言いがかり」と非難している。

ベラルーシの司法は欧州最後の独裁者ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の支配下に置かれている。

ビアリアツキー氏の妻はAP通信の取材に対し、「夫は規律違反の疑いで刑務所内の狭い独房に押し込まれ、弁護士と面会することも許されなかった」と語った。

ビアリアツキー氏は首都ミンスク郊外の刑務所に収監されている。この施設は受刑者を殴打し、重労働を強いることで知られている。

ルカシェンコ氏は1994年に政権に就き、独立系メディアや反対派への弾圧を開始。2020年の大統領選に抗議するデモも容赦なく取り締まった。

警察はこのデモに参加した市民3万5000人以上を拘束・殴打。大統領選に立候補したチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏を含む多くの野党関係者が亡命を余儀なくされた。

ビアスナによると、ベラルーシには現在、1462人の政治犯がいるという。

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