◎セルビアはEU加盟を目指しているが、ロシアとの緊密な関係を維持し、欧州で唯一、対ロシア制裁への参加を拒否している。
2019年1月17日/セルビア、首都ベオグラード、ブチッチ大統領(右)とプーチン露大統領(Darko Vojinovic/AP通信)

セルビアブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は19日、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン(Vladimir Putin)露大統領の逮捕状を発行したことについて、「ネガティブな結果をもたらし、ウクライナ侵攻を長引かせることになる」と批判した。

ICCは17日、ウクライナの子供の違法連行をめぐる戦争犯罪の疑いでプーチン氏とペロワ(Maria Lvova-Belova)大統領全権代表(子どもの権利担当)の逮捕状を発行した。

しかし、ブチッチ氏はICCの決定を批判し、「政治的に悪い結果をもたらす」という見方を示した。

ブチッチ氏は記者団に対し、「あなたたちは戦争犯罪で告発した個人と話し合ったり協議したりしますか?」と語った。

またブチッチ氏は「ICCはロシアを本気で倒すことができると思っているのか?」と嘲笑した。「逮捕状を発行した人たちはプーチン大統領との協議が難しくなることを理解していますか?」

ブチッチ氏は記者から「プーチン氏がセルビアを訪れたら逮捕するか」と問われると、「無駄な質問をするな」と一蹴した。「ウクライナ侵攻が続く限り、プーチン大統領に行き場はありません。協議が難しくなった今、侵攻は長引く可能性が高いと言わざるを得ません...」

セルビアはEU加盟を目指しているが、ロシアとの緊密な関係を維持し、欧州で唯一、対ロシア制裁への参加を拒否している。

ブチッチ氏は1990年代のユーゴスラビア紛争で戦争犯罪に問われたシェシェリ(Vojislav Seselj)氏と数人の党員に対する国際戦犯法廷(ICTY)を批判する党幹部のひとりであった。

1990年代後半、セルビア軍はコソボ・アルバニアの分離主義者に対する戦争犯罪で告発された。ブチッチ氏は当時の政権で情報相を務めていた。

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