◎2022年にイギリスにボートで到着した移民約4万5000人のおよそ1割がアルメニア人であった。
アルバニアの国境警備隊(Getty Images)

英内務省は15日、NATOの同盟国アルバニアのコソボ国境沿いに高度な監視カメラを設置し、イギリスに流入する移民を食い止め、その流入を主導する人身売買組織を追跡していると発表した。

それによると、スナク政権はアルバニア当局と連携して、不法移民と人身売買組織の摘発を推進するために、コソボ国境沿いに監視カメラを複数設置したという。

2022年にイギリスにボートで到着した移民約4万5000人のおよそ1割がアルメニア人であった。

英政府はアルメニア人の難民申請を受理していない。

高賃金を求めるアルメニア人は人身売買組織の助けを借りてイギリスに渡り、その一部は大麻の栽培などで利益を上げている。

英政府はアルバニア人の不法入国を「侵略」と呼び、外交論争に火をつけた。アルバニア政府はイギリスがアルバニア人を特別扱いし、侵略者呼ばわりしていると非難した。

英内務省によると、アルバニアとコソボの国境に160万ポンドをかけて監視カメラを設置。車のナンバーを識別できるドローンも導入したという。

このドローンはアルバニア北部の山岳地帯を越える移民を追跡する。

アルバニアの駐英大使は14日、首都ティラナで内相ら政府高官と会談。不法移民対策について協議した。

大使は「両国がどのようにして不法移民を取り締まっているか、世界に示すことが重要だ」と強調した。

トルコからギリシャに陸路で渡った移民の一部はアルバニアを経由して西欧に向かう。このルートの取り締まりは厳しく、他の地中海ルートに比べると利用する者は少ない。

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