◎国連とサウジ主導の連合軍はラマダンが始まる4月1日までにイエメン内戦の人道的停戦を達成したいと考えていた。
2018年3月17日/イエメン、首都サナア、シーア派武装勢力フーシの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

サウジアラビア政府は30日、イエメンで進行中の戦闘を一時停止すると発表した。

国連とサウジ主導の連合軍はラマダンが始まる4月1日までにイエメン内戦の人道的停戦を達成したいと考えていた。

サウジ政府によると、停戦は30日の午前6時に始まったという。過去、同様の停戦努力は何度か失敗しており、サウジ連合軍とシーア派武装勢力フーシが本当に戦闘を停止したかどうかは明らかにされていない。

フーシ派はサウジの首都リアドで開催されている湾岸協力理事会(GCC)の会議への参加を拒否している。

フーシ派の高官アル・ブカイティ氏はサウジ連合軍がイエメンの首都サヌアの空港を閉鎖し、入港を制限していることに強く反発し、これらの問題が解消されない限り停戦には応じないとサウジの申し出を拒否した。

アル・ブカイティ氏は30日、ツイッターに「封鎖が解除されない限り、侵略連合軍の停戦宣言は意味をなさない」と投稿した。

サウジ主導の連合軍は2014年からイエメンの大部分を支配するフーシ派と戦っている。イエメン内戦は近代史上最悪の人道危機を引き起こし、国連のまとめによると、戦闘で死亡した兵士および民間人は15万人を超え、1,000万~2,000万人が国内避難民になり、1,100万人以上の子供が人道支援を必要としている。

サウジ、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、UAE(アラブ首長国連邦)によるGCC会議は29日に始まった。国営サウジアラビア通信は協議の一部と会見を生中継している。

GCCのハジュラフ事務局長は30日、リヤドに集まったフーシ派を除くイエメン代表団を歓迎し、今回の協議を平和への突破口と呼んだ。

ハジュラフ事務局長は記者団と政府関係者に、「イエメンの安全と和平への道は、たとえ課題が大きいとしても不可能ではない」と語った。

国連のイエメン特使も停戦提案を「正しい方向への一歩」と呼び、協議の成功を祈念した。協議は4月7日まで続く予定。

国連本部のデュジャリック報道官は30日、「議論はイエメンの当事者を交渉の場に戻す機運を高める」と期待を表明した。

またデュジャリック報道官は、国連のイエメン特使が31日にオマーンでフーシ派の代表団と会談する予定と明らかにした。

デュジャリック報道官はフーシ派が最近、戦闘の一時停止を歓迎したことに触れ、「国連はラマダン中の戦闘停止または一時停止という、戦争当時者が公の場で言ったことを遵守することを望んでいる」と述べた。

イエメン内戦は2014年9月に勃発し、フーシ派が北西部の拠点から首都サヌアに押し寄せた。その後、フーシ派は当時のハディ政権を打倒し、サヌアを含む北部の大部分を支配した。

サウジ連合軍は2015年3月、ハディ政権の復権を目指して参戦した。しかし、内戦終結の目途は全く立たず、血生臭い戦闘と致命的な飢餓が発生し、子供を含む多くの市民が殺された。

国連などの調査によると、内戦の犠牲者は民間人込みで15万人以上と推定されている。最新の報告は民間人の犠牲者を14,500人としている。

サウジ連合軍はフーシ派の拠点を空爆しているが、数百人の民間人が巻き込まれ、多くのインフラが破壊された。一方、フーシ派は子供を徴兵し、国中に地雷を敷設している。

フーシ派は先週、サウジ第二の都市ジッダの石油基地を攻撃したが、F1サウジGPは予定通り開催され、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った。

スポンサーリンク