◎サイード氏は2018年から暫定政府の首相を務めていた。
イエメン、首都サヌア、シーア派武装勢力フーシの戦闘員(Getty-Images)

国連の承認を受けるイエメンの暫定評議会が5日、暫定政府のサイード(Maeen Abdulmalik Saeed)首相を解任した。

暫定評議会はムバラク(Ahmed Awad Bin Mubarak)外相を後任に指名。サイード氏を解任した理由は明らかにしていない。

サイード氏は2018年から暫定政府の首相を務めていた。

イエメンは近代史上最悪と呼ばれる内戦と人道危機に直面しており、この10年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人がまともに食料を確保できず、国際社会の支援に頼っている。

当時の中央政府はシーア派武装勢力フーシの猛攻に屈し、国外に退避した。

政府はその後、サウジアラビアが主導する連合軍の支援を受け、反撃を開始。フーシ派はイランの支援を受けているため、サウジとイランの代理戦争に発展した。

フーシ派は首都サヌアを含む同国の大部分を実効支配している。

フーシ派は世界最悪の飢餓を誘発した内戦からの脱却を求めるサウジ当局と数カ月前から交渉を続けているものとみられる。

両者は以前、期限切れとなった停戦協定を復活させる協議が進んでいると表明していた。フーシ派とサウジの交渉は内戦の政治的解決を目指す国際社会の取り組みのひとつである。

一方、米国は先週、紅海やアデン湾で商船などへの攻撃を続けるフーシ派への空爆を開始したと発表。これはフーシ派の戦闘力を低下させることを目的としており、数週間続く可能性がある。

フーシ派はイスラエルがパレスチナ・ガザ地区から撤退するまで商船への攻撃を続けると宣言。さらに、領内を空爆した米英両軍に報復すると誓った。

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