◎射殺されたのは23歳の男性。
2021年5月12日/イスラエルとガザ地区の国境付近に配備された砲兵部隊(Yonatan Sindel/AP通信)

イスラエル軍は18日、ヨルダン川西岸地区のラマラ近郊で同軍の兵士にナイフを突きつけたパレスチナ人を射殺したと発表した。

パレスチナ自治政府によると、射殺されたのは23歳の男性。事件は17日に発生した。

イスラエル軍の報道官は声明で、「男は兵士の要請に応じず、ナイフを取り出したため、制圧した」と述べている。

パレスチナ保健省によると、男性は市内の医療機関に搬送されたものの、数時間後に死亡したという。

西岸地区の暴力事件数はここ数年で最悪となっている。イスラエル軍は昨年春にイスラエル人が相次いで殺害されたことを受け、取り締まりを強化した。

今年西岸地区でイスラエルの治安当局に殺害されたパレスチナ人はこれで85人となった。東エルサレムと西岸地区で今年殺害されたイスラエル人は14人。

人権団体やメディアは今年殺害されたパレスチナ人のおよそ半数が武装勢力の戦闘員と指摘。しかし、イスラエル政府はそのほとんどが武装勢力や過激派と発表している。

報道によると、殺害された85人の中には軍に抗議した10代前半の若者や60歳以上の男性3人(いずれも非武装)が含まれる。

西岸地区と東エルサレムで昨年イスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は150人近くに達し、この20年で最も多くなった。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設。国際社会はこの占領を認めていない。パレスチナは東エルサレムを首都とする独立国家の建設を目指している。

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