◎米国中央軍のフランク・マッケンジー将軍は、8月29日にアフガニスタンの首都カブールで実施したドローン空爆の死亡者はイスラム国(ISIS)関連の過激派ではなく民間人だったと認めた。
2021年8月29日/アフガニスタン、首都カブールの住宅街、米軍のドローン空爆で破壊された車両(Khwaja Tawfiq Sediqi/AP通信)

9月17日、米国中央軍のフランク・マッケンジー将軍は、8月29日にアフガニスタンの首都カブールで実施したドローン空爆の死亡者はイスラム国(ISIS)関連の過激派ではなく民間人だったと認めた。

マッケンジー将軍は記者団に対し、「空爆は悲劇的な間違いだった」と述べ、誤爆を認めた。

国防総省は当時、空爆でISISに関連するジハード組織ISIS-Kの自爆テロ犯を殺害したと主張したが、主要メディアは爆破された車両の運転手はアメリカの人道組織の活動に長年貢献した人物で、車内に自爆テロを示唆する爆発物はなかったと報じた。

子供7人を含む民間人10人が爆発に巻き込まれ死亡した。

ISIS-Kの自爆テロ犯は8月26日に首都カブールの国際空港近くで自爆し、民間人160人以上と米兵13人を殺害した。2日後、米軍は東部ナンガルハール州のISIS-Kを空爆し、自爆テロに関与したとされるリーダー格2人を殺害した

マッケンジー将軍は、対象の車両は差し迫った脅威をもたらすと信じられ、爆破されたと述べた。「私たちは7人の子供を含む民間人10人が空爆で死亡したという結論に至りました。運転手と爆発に巻き込まれた人々がISIS-Kまたはその他のジハード組織に関連している可能性は低いと評価しています...」

マッケンジー将軍は誤爆を認めて謝罪し、アメリカは犠牲者の犠牲者の家族に対する賠償金を検討していると述べた。

米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長はマッケンジー将軍の会見後、後悔を表明した。「この空爆は戦争がもたらした悲劇であり、心が痛みます。米軍はこの事件の透明性を保つと約束します」

国防総省によると、諜報機関は対象の車はISIS-Kに関連していると信じ、約8時間追跡していたという。この空爆は約20年続いたアフガニスタン戦争における米軍の最後の主要な攻撃と考えられている。

空爆は大規模な二次爆発を引き起こした。米軍は当初、車に積まれていた爆発物が二次爆発を引き起こしたと主張したが、その後の調査で近くのプロパンタンクが原因である可能性が高いことが判明した。

爆発に巻き込まれたアフマド・ネーザー氏は米軍の通訳として活動していた。他の犠牲者も国際機関で働き、アメリカ行きのビザを持っていた。最年少の犠牲者は2歳の少女と伝えられている。

犠牲者の親族のひとり、ラミン・ユスフィ氏はAP通信の取材に対し、「空爆は間違いです」と述べていた。「なぜアメリカは私たちの家族を殺したのですか?」

2021年8月30日/バージニア州の国防総省、記者会見にオンラインで参加した米国中央軍の司令官フランク・マッケンジー将軍(ManuelBalce Ceneta/AP通信)
スポンサーリンク