▽トルコには推定400万匹の野良犬がいる。イスタンブールや首都アンカラでも野良犬が何食わぬ顔で市内を闊歩し、路地で寝泊まりしている。
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トルコの憲法裁判所は7日、数百万匹の野良犬を路上から排除することを目的とした法律について、その廃止を求める野党の請求を棄却した。
国会は昨年8月、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)が提出した野良犬管理法を賛成多数で可決した。
トルコには推定400万匹の野良犬がいる。イスタンブールや首都アンカラでも野良犬が何食わぬ顔で市内を闊歩し、路地で寝泊まりしている。
AKPは野良犬を一網打尽にし、保護施設に収容し、30日以内に引き取り手がない場合は安楽死させることを目指していたが、野党と動物愛護団体がこれに猛反発。AKPは修正案を提出し、野党に理解を求めていた。
野党・共和人民党(CHP)は野良犬の大量殺処分につながる恐れがあるとして、法律を差し止めるよう憲法裁に求めていた。
数十人の動物愛護活動家が憲法裁の近くに集まり、「血にまみれた法律を取り消せ」と書かれたポスターを掲げ、反政府スローガンを叫んだ。
各自治体は野良犬を確保し、保護施設に収容して去勢・避妊手術を受けさせる。病気の犬、狂犬病にかかっていると思われる犬、攻撃的な行動をとる犬は安楽死させることができる。
また自治体は2028年までにドッグシェルターを建設するか、既存のシェルターの状況を改善することが義務づけられる。
エルドアン氏はこの法律が野良犬の問題を解決するとして、国民に理解を求めてきた。
すべての野良犬を排除するよう求めている団体「安全な町と生存権を守る会」が昨年公表したレポートによると、2022年以降、少なくとも65人が野良犬に噛まれるなどして死亡したという。
動物愛護団体は自治体が予算不足を理由に、病気を口実にして野良犬を殺処分する恐れがあると警告している。