◎NATOに加盟するためには、現加盟30カ国の批准が必要である。
2022年6月28日/ブリュッセルのNATO本部、トルコ、スウェーデン、フィンランド、NATOの首脳と外相(Bernat Armangue/AP通信)

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は18日、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟手続きについて、両国が約束を履行しなければ拒否権を行使すると警告した。

トルコは先月末、両国のNATO加盟を支持する覚書に署名したが、トルコでテロ組織に指定されているクルド人武装勢力の容疑者を速やかに引き渡すよう要求していた。

トルコは両国が「クルド労働者党(PKK)」などのクルド人武装勢力を保護していることなどを理由に加盟に反対していた。米国とEUもPKKをテロ組織に指定している。

NATOに加盟するためには、現加盟30カ国の批准が必要である。

エルドアン氏は閣議後の会見で、「北欧2カ国が約束を履行しなかった場合、トルコは加盟プロセルを凍結すると改めて念を押したい」と警告した。「この問題に関するトルコのスタンスは明確です。先に進めるかどうかは彼ら次第です」

エルドアン氏は、「特にスウェーデンが良い兆候を見せていない」と述べたが、詳細は説明しなかった。

スウェーデンとフィンランド政府はこの発言に関する声明を発表していない。

トルコはこの2カ国が安全保障上の脅威と見なされるテロ組織に対して甘すぎると非難している。トルコの法相は今月初め、「両国にテロ容疑者の引き渡し要請を行った」と発表していた。

トルコ、スウェーデン、フィンランドは先月末のNATO首脳会議で覚書に署名した。

スウェーデンとフィンランドはこの覚書で、「トルコのテロ容疑者の国外追放または引き渡し要請を欧州の引き渡し条約に則って対処する」ことに合意した。

覚書は引き渡しの回数には触れていない。スウェーデンとフィンランドは欧州犯罪人引渡し条約に基づいてトルコが提出した資料、証拠、情報を精査し、テロ容疑者の引き渡し要請に対処するとしている。

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