◎機動隊は市中心部にバリケードを設置し、催涙ガスや唐辛子スプレーを使ってデモ隊を追い払った。
3月8日、トルコ警察はイスタンブールの中心部で行われた国際女性デーのデモ行進に催涙ガス弾を撃ち込み、少なくとも38人を拘束した。
AP通信によると、機動隊は市中心部にバリケードを設置し、催涙ガスや唐辛子スプレーを使ってデモ隊を追い払ったという。
警察当局は例年通り、イスタンブールの中央広場とその周辺地域を立ち入り禁止区域に指定した。機動隊はタクシム広場周辺と広場に通じる脇道、近くの歩行者専用道路に金属製のバリケードを設置し、デモ隊を迎え撃った。
トルコの全国テレビチャンネルHalk TVによると、機動隊はバリケードに近づいた女性にガスを発射し、少なくとも1人がガスの影響で失神し病院に搬送されたという。
また、行進に参加するためにフェリーでイスタンブール入りしようとした権利団体と思われる一行は乗船前に拘束・連行されたと伝えらえている。
女性の権利保護を訴える団体は定期的にデモを行い、元パートナーや家族による女性への暴力を防ぐ法律の導入を政府に求めている。非営利団体「We Will Stop Femicide Platform」によると、トルコでは今年に入ってから少なくとも73人の女性が殺害されたという。
エルドアン政権は昨年、女性の暴力対策に関する欧州条約から脱退し、広範な抗議デモと国際的な非難を集めた。エルドアン大統領の公正発展党の一部党員は、女性の権利に関する欧州条約はイスラム教の価値観に反すると提唱し、脱退を後押しした。
エルドアン大統領は先週、女性に対する暴力行為を抑制する司法改革を約束した。
地元メディアによると、政府は女性に対する暴力(殺人、傷害、拷問、虐待など)を厳罰化する予定だという。また、ストーカー行為を犯罪とし、被害者には無料で弁護士を付けることを認める見込みである。