◎イマモール氏は2019年の市長選で再選挙を求めた与党関係者を「愚か者」と批判し、侮辱罪に問われていた。
2022年12月14日/トルコ、イスタンブールのイマモール市長(ロイター通信)

トルコの地方裁判所は14日、イスタンブールのイマモール(Ekrem Imamoglu)市長に侮辱罪で禁固2年7カ月の有罪判決を言い渡した。

イマモール氏は2019年の市長選で再選挙を求めた与党関係者を「愚か者」と批判し、侮辱罪に問われていた。

同氏は2019年3月の市長選でエルドアン(Recep Tayip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)の候補を破り、その後の再選挙でも与党候補に大差を受けた。

報道によると、イマモール氏は控訴する見通し。同氏は野党・共和人民党(CHP)所属。来年予定されている大統領選の野党候補のひとりと見なされている。

原告はイマモール氏が2019年3月の市長選で勝利した後の発言が侮辱罪に当たるとして提訴した。

AKPは投票に問題があったとして選挙管理委員会に異議を申し立て、選管は訴えを認め、再選挙を命じた

イマモール氏はAKP関係者を「愚か者」と呼んだことについて、ソイル(Suleyman Soylu)内相が同様の発言をしたことに反発したと弁明した。

イマモール氏は2019年6月の再選挙で与党候補に77万票の差をつけ勝利し、トルコの最大都市におけるAKPの支配に終止符を打った。

イマモール氏の陣営は控訴する見通しだが、高裁が判決を支持すれば、イマモール氏は来年の大統領選候補から外れることになる。

イマモール氏は判決後のビデオ声明で、「一握りの人間に国民の権利を奪わせるつもりはない」と述べ、与党を批判した。

イスタンブール議会の周辺にはイマモール氏の支持者が集まり、エルドアン氏に辞任を求め、「真実・法・正義」と連呼した。

イマモール氏が候補から外れれば、野党はエルドアン氏に対抗できる候補を選ぶことが難しくなるかもしれない。

最新の世論調査によると、回答者の大多数がエルドアン氏に勝利できる野党候補はイマモール氏以外いないと回答したという。

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