◎トルコ南部のシリア国境近くで6日に発生した大地震の犠牲者は3万3000人を超え、さらに増えると見込まれている。
2023年2月12日/トルコ、南部ハタイ県アンタキヤ、救助隊(Petros Giannakouris/AP通信)

トルコ当局は12日、大地震で倒壊した建物の建設に関わったとされる131人を調査していると発表した。

南部のシリア国境近くで6日に発生した大地震の犠牲者は3万3000人を超え、さらに増えると見込まれている。捜索活動にはトルコ軍・消防・警察・自治体・ボランティア・国連を含む国際援助助が参加し、今も必死の救助活動が続いている。

被災地の住民は援助が届かないことに怒りを募らせ、エルドアン政権を非難。責任の所在に注目が集まっている。

法務省は12日、地震で崩壊した建物の建設に関わったとされる131人を調査し、その一部を逮捕したと発表した。

地震は強力だったが、多くの専門家が「建築基準法を守っていればここまで被害は拡大しなかった」と指摘している。

ある被災者は地元メディアのインタビューで、「私のアパートを建てた請負業者は費用を抑えるために鉄筋の数を減らした」と主張した。「中抜き業者をひとり残らず逮捕してください!」

地元メディアによると、トルコの建築基準法は少なくとも紙面上は地震工学の基準を満たしている。しかし、それを遵守する業者は限られており、特に地方は守らない傾向が一段と強いという。無筋コンクリートは当たり前、石造りの家、レンガの家、掘っ立て小屋が乱立している。

その結果、何千もの民家やアパートが崩壊した。被害の全容は明らかになっていないが、国営トルコ・ラジオ・テレビ放送(TRT)は数十万戸が影響を受けたと報じている。

国営アナトリア通信によると、南東部ガジアンテプ県で倒壊した建物で違法行為に関わったとされる2人が逮捕されたという。

司法省は少なくとも3人が逮捕、7人が拘留され、さらに7人がトルコからの出国を禁じられたと発表した。

さらにアナトリア通信は、「アディヤマン県で倒壊した複数の建物の建設に関与したとされる請負業者が12日、イスタンブール空港から出国しようとしたところを逮捕された」と報じた。

逮捕された業者の1人は記者団に対し、「私は44棟の建設工事に携わったが、全て規則に基づき、適切な資材を使用している」と語った。

シリアのボランティア救助隊は手作業で瓦礫をかき分け、下敷きになった住民を探している。

TRTは12日、ハタイ県で地震発生から157時間後に妊婦が救出されたと伝えた。ガジアンテプ県では160時間後に女性が救助された。

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