◎外国大使らは今週、有罪判決を受けていないにもかかわらず4年以上拘留されているオスマン・カヴァラ氏の事件の解決を求める共同声明を発表した。
2021年10月21日/トルコ、首都アンカラの大統領官邸、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(ロイター通信)

10月23日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、米国、ドイツ、フランスを含む外国大使10人に「ペルソナ・ノン・グラータ」を宣言するよう命じた

ペルソナ・ノン・グラータは外交団を受け入れる側に与えられる権限のひとつで、一方的に発動可能。発動理由を提示する義務はなく、宣言を受けた大使は外交的地位を剥奪され、追放または解任される可能性が高い。

外国大使らは今週、有罪判決を受けていないにもかかわらず4年以上拘留されているオスマン・カヴァラ氏の事件の解決を求める共同声明を発表した。共同声明に参加した国は米国、ドイツ、フランス、カナダ、フィンランド、デンマーク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン。

欧州人権裁判所は2019年、「カヴァラ氏の逮捕は犯罪にかかわったという証拠ではなく、政治的な理由に基づいている」と裁定し、トルコにカヴァラ氏を釈放するよう命じた。

エルドアン大統領は23日に行われた集会の中で共同声明を「無礼」と呼び、「大使はトルコに命令を出すべきではない」と述べた。「私は外相に手続きを開始するよう命じました。私たちは10人にペルソナ・ノン・グラータを宣言しなければなりません。彼らはまもなく荷物をまとめるでしょう」

トルコのメディアによると、エルドアン大統領は「大使はトルコを理解するか去るかを選択する」と述べたという。

ノルウェーの外務省はロイター通信の取材に対し、「大使は追放されるようなことはしていない」と述べたが、大使本人は今のところ声明やツイートを発信していない。

カヴァラ氏は昨年、2013年の全国的な反政府抗議デモに関連する裁判で無罪判決を受けたが、その後まもなく再逮捕され、2016年のクーデター未遂に関与したとして起訴された。カヴァラ氏は関与を否定している。

国際的な人権団体と批評家は、2016年から拘留されているカヴァラ氏とクルド人政治家のセラハッティン・デミルタシュ氏の釈放を繰り返し求めている。

人権団体は、2人の拘留は政治的な理由に基づいているとトルコ政府を非難したが、トルコはその主張を否定し、司法は憲法に基づき公平に手続きを行っていると反論した。

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