▽両国の首脳が会談したのは25年ぶりであった。
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トランプ(Donald Trump)米大統領が14日、サウジアラビアの首都リヤドでシリア暫定政府のシャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)大統領と会談した。
両国の首脳が会談したのは25年ぶりであった。
サウジのサルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)が会談を仲介した。
トランプ氏は前日、アサド政権時代に科したシリアへの制裁を緩和し、関係正常化に向けた取り組みを開始すると表明していた。
シャラア氏はかつてのアルカイダ系組織「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」の元指導者であり、国連の制裁下にある。
アサド(Bashar Assad)前大統領は昨年末、HTS率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
それ以来、シャラア氏が暫定政府を率いてきた。米政府はシャラア氏に対する1000万ドルの報奨金を解除している。
トランプ氏は会談後、エアフォース・ワンの記者団に対し、シャラア氏を「若くて魅力的な男」と称賛。「彼はタフガイだ。厳しい戦いを潜り抜けてきた。ファイターだ」と述べた。
シャラア氏はシリア内戦に参戦する前、イラクで米軍と戦う反政府勢力に加わっていた。
トランプ氏は「彼はシリアをまとめる可能性がある。彼は本物のリーダーだ。彼は突撃隊を率いたし、すごい男だ。楽しみだ」と述べた。
シリアでは13日夜、トランプ氏の制裁緩和発表を祝う人々が街頭に繰り出し、歓声を上げ、花火を打ち上げた。
シリアは米国の厳しい制裁で世界の金融システムから締め出された。人々は内戦が事実上終結し、最も投資が必要なときに世界経済に復帰できるかもしれないという希望を抱いた。
一方、シリアと国境を接するイスラエルのネタニヤフ政権はトランプ氏に対シリア制裁を緩和しないよう繰り返し呼びかけていた。
今回の決定はパレスチナ・ガザ地区で戦争が激化する中、ホワイトハウスとイスラエル政府との間で不満が高まっていることを改めて浮き彫りにした。
トランプ氏はまだシリア暫定政府を承認しておらず、制裁も維持している。シリアは欧米諸国に対し、アサド政権時代に科した制裁の解除を求めている。