◎西側諸国は女性に対する就学禁止令や就労禁止令などが解除されない限り、アフガンへの援助を再開することはないとしている。
2022年2月22日/アフガニスタン、首都カブールの通り、ブルカを着た女性(Hussein Malla/AP通信)

アフガニスタンを統治するタリバンは17日、「女性は公の場で顔を隠さなければならず、男性に素顔を見られるとその価値を失う」と主張した。

勧善懲悪省の報道官はAP通信の取材に対し、「女性は公の場で顔が見えると、罪に問われる可能性がある」と述べ、ブルカ(イスラム教徒の女性が着用するヴェール)着用令を擁護した。

2年前に首都カブールを制圧したタリバンは女性の公共の場から締め出し、ブルカの着用を義務付け、公園、ジム、大学などから追放した。

勧善懲悪省の報道官は、「女性がヒジャブ(ブルカ)を着用しないことは悪いことであり、我が国の学者も女性は顔を隠すべきというイスラム教の教えに同意している」と語った。

また報道官は「女性は公の場で男性に素顔を見られるとその価値が下がってしまう」と主張した。「アラー(イスラム教の預言者ムハンマド)もヒジャブを着用する女性に敬意を払っています...」

ソーシャルメディアにはこの発言に反発する投稿が多数寄せられている。

ある学者は「コーラン(イスラム教の聖典)にヒジャブルールなど記されておらず、自分たちの解釈を押し付けたいタリバンはコーランの解釈を裏付けることに苦労しているようだ」とツイートしている。

イスラム教徒の女性はツイッターにこう投稿した。「コーランにタリバン=何も知らない赤子と記すべきです」

タリバンによる少女や女性への制限はイスラム教徒の多い国々を含め、世界的な怒りと批判を引き起こしている。

国連のアフガン特使は16日、タリバンによる少女と女性への制限を「人道に対する罪」と非難し、国際刑事裁判所(ICC)にタリバンの指導者を訴追するようと提案した。

勧善懲悪省の報道官は、「ヒジャブルールが普遍的に遵守されるようになれば、いずれかの禁止令が解除される可能性がある」と示唆したが、どの禁止令を解除するかは言及しなかった。

西側諸国は女性に対する就学禁止令や就労禁止令などが解除されない限り、アフガンへの援助を再開することはないとしている。

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