◎タリバンは今月初め、全国の美容院に1カ月以内に店を閉めるよう命じた。
2021年9月12日/アフガニスタン、首都カブールの美容院(Bernat Armangue/AP通信)

アフガニスタンを統治するタリバンの戦闘員が美容院禁止令に抗議する女性数十人にライフルを突きつけ、スタンガンを使用した。現地メディアが19日に報じた。

タリバンは今月初め、全国の美容院に1カ月以内に店を閉めるよう命じた。

この禁止令はアフガンの女性・少女の基本的人権を侵害する制限のひとつである。同国の女性は教育、公共スペースへの立ち入り、就労を著しく制限されている。

勧善懲悪省によると、美容院はイスラム法に反するサービスを顧客に提供し続けているという。▽眉毛の整形▽地毛を増やすために他人の毛髪を使用▽結婚式前の化粧など・・・

AP通信によると、数十人の美容師やメイクアップアーティストなどがカブール中心部の通りに集まり、タリバンの禁止令に抗議したという。

APの取材に応じた女性は「正義を追求するために参加した」「仕事と食べ物と自由が欲しい」と語った。

タリバンの戦闘員はデモ隊に水をかけ、数人にテーザー銃を撃ち込み、空に向かってライフルを乱射した。

タリバンの報道官はこの取り締まりに関する声明を出していない。

国連アフガン支援団(UNAMA)は18日、この取り締まりを「とんでもない蛮行」と断じ、タリバンがデモを抑え込むために武力を行使したと糾弾した。

一方、勧善懲悪省の報道官は18日、ツイッターアカウントに声明を投稿。「音楽と汚職を宣伝するために使われたと楽器をコナゴナに破壊した」と書き込み、楽器などを焼き払う写真を添付した。

タリバンは国をまともに運営できず、国際機関の人道支援に頼り切っている。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は今年、アフガンで生活する市民約2400万人が人道支援を必要とし、そのニーズを満たすためには46億2000万ドルもの資金が必要と報告。国際社会に支援を強化するよう呼びかけた。

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