事件はイラクと国境を接するデリゾール郊外の砂漠地帯で発生。アサド政権の兵士を乗せたバスが武装集団の待ち伏せ攻撃を受けた。
イスラム国(ISIS)の旗を掲げる戦闘員(Getty-Images)

シリア当局によると、イスラム国(ISIS)が東部の都市デリゾールで陸軍兵士40人を殺害したと犯行声明を出したという。

イギリスのNGO「シリア人権監視団」は今週、イラクと国境を接するデリゾール郊外の砂漠地帯で待ち伏せ攻撃が発生したと報告。アサド政権の兵士を乗せたバスが武装集団の攻撃を受け、兵士少なくとも23人が死亡、10人が負傷したと明らかにしていた。

その後、同監視団は12日、この待ち伏せ攻撃による死者数が33人に増加したと発表した。

一方、ISISを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通信は11日夜の声明で、「ISISの戦士たちは軍用トラック2台に待ち伏せ攻撃を仕掛け、兵士40人を殺害、10人に重傷を負わせた」と主張した。

シリア東部の情勢を伝える独立系メディアは死者数を35人としている。このメディアは何人かの兵士が重体で、死者数はさらに増える可能性があると報告した。

アマーク通信は次のように伝えている。「指導者への忠誠は言葉ではなく行動で示される。我々の聖戦は終末の日まで続くことを全世界に知らしめよう」

ISISは2014年6月にカリフ制国家の樹立を宣言。シリアとイラクの大部分を支配した。その後、ISISは領土を失い続け、2017年にイラク、2019年にはシリアで敗北を喫した。

ISISの残党は今年2月、中部の町でトリュフを採っていたグループとアサド軍の検問所を襲撃し、少なくとも53人を殺害した。

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