◎シリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化し、人口の半数以上が避難民となり、数百万人が近隣諸国に逃亡した。
シリア、首都ダマスカス(Getty Images/AFP通信)

国営シリア・アラブ通信(SANA)は13日、首都ダマスカス郊外で兵士を乗せたバスが爆発し、少なくとも18人が死亡、27人が負傷したと報じた。

SANAは軍関係者の話を引用し、「何者かがバスを爆破した」と報じている。犯行声明は出ていないようだ。

内戦が続くシリアでは同様の攻撃が相次いでおり、昨年3月には中部パルミラ近郊で軍用バスが武装勢力の攻撃を受け、13人が死亡している。

アサド政権は主に南部と中部で活動しているイスラム国(ISIS)グループがこれらの攻撃に関与していると指摘している。

一方、北部の町アルバブでは今週、国際テロ組織アルカイダとつながりのあるグループが反アサド政権グループを追い出している。SANAによると、北部地域ではアルカイダと反政権派の戦闘が続いているようだ。

反政権派は2017年にISISからアルバブを奪還した。

イギリスに本拠を置くNGO「シリア人権監視団」は13日、アルカイダグループがトルコの支援を受ける反政権派から北部の軍事基地30か所を奪取したと報告した。

アルカイダグループは先週、アルバブでオートバイに乗っていた市民ジャーナリスト夫妻が射殺されたことに憤慨し、戦闘を本格化させたと伝えられている。

夫妻は反政権派に射殺されたとみられるが、詳細は不明だ。

シリア北部で活動するNGO「シリア・ヒューマニタリアン・レスポンス」は13日、アルバブの戦闘で市民4人が死亡、28人が負傷し、約1000世帯が避難を呼びなくされたと報告した。

トルコは2016年以来、シリア国内で3つの大規模な作戦を展開してきた。トルコ軍はテロ組織に指定している武装組織「クルド労働者党(PKK)」や「クルド人民防衛部隊(YPG)」などとの戦闘を続けている。

トルコ政府はアルバブの戦闘に関する声明を出していない。

シリアでISISと戦っている米軍主導の連合部隊はYPGと連携している。米国はYPGをシリアにおける対テロ戦争の最重要同盟組織と位置付けている。

シリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化し、人口の半数以上が避難民となり、数百万人が近隣諸国に逃亡した。

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