◎イスラエルは長年この地域に空爆を行っており、先月21日には空港近くで火災が発生した。
2018年/シリア、首都ダマスカス、イスラエル軍のミサイル攻撃(AP通信)

シリア政府は11日、首都ダマスカスの国際空港にイスラエル軍のミサイルが着弾し、主要滑走路が使用不能になったと発表した。

運輸省は10日の声明で空爆を受けたと報告していたが、詳細は明らかにしていなかった。

地元メディアは当局者の情報を引用し、「空爆で一部の設備が被害を受け機能しなくなったため、全便が運航を停止している」と10日遅くに報じていた。

イスラエル軍は空爆に関するコメントを出していない。

運輸省は11日の声明で、「北滑走路が数カ所損傷し、空港の第2ターミナルビルにも被害が出た」と述べている。

被害を受けた空港は首都ダマスカスの南に位置する。

地元の活動家によると、この空港にはイランの支援を受ける民兵が出入りし、武器庫があったという。

イスラエルは長年この地域に空爆を行っており、先月21日には空港近くで火災が発生した。

イギリスに本拠を置くシリア人権監視団は声明で、「イスラエル軍はイランの支援を受ける民兵の武器庫3カ所を攻撃した」と説明した。同監視団によると、このミサイル攻撃で北滑走路と管制塔が被害を受けたという。

また同監視所は、「今回の空爆で唯一機能していた北滑走路が失われた」と強調した。イスラエル軍は昨年の空爆で南滑走路と呼ばれているもうひとつ滑走路を破壊していた。

イスラエルはシリアを何百回も空爆しているが、作戦を認めたり、公にすることはほとんどない。

この問題に詳しい専門家によると、イスラエル軍はレバノンのイスラム過激派組織ヒズボラやイランの支援を受ける民兵の基地を狙っているという。

ヒズボラはアサド(Bashar al-Assad)政権と戦う反政府組織を支援し、兵器や戦闘員を供与している。

シリア運輸省は11日、「民間企業と政府のチームは北滑走路の瓦礫撤去と修復作業に当たっており、安全を確保でき次第、運航を再開する予定」とした。

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