◎ヨルダン王室は現在、燃料価格の高騰に抗議するトラック運転手のストと抗議デモに直面している。
ヨルダン、南部マアン市(Getty Images)

ヨルダン当局は19日、南部マアン県の郊外でテロ組織の構成員が銃を乱射し、警察官3人が死亡したと発表した。

地元警察によると、主犯格とみられる容疑者1人も死亡し、9人が逮捕されたという。

マアン県の最大都市であるマアン市では先週、暴動で警察幹部が殺害されている。

地元メディアによると、銃撃戦が発生した地区は失業率が高く、過去に首長がイスラム国(ISIS)への支持を表明したこともあるという。

地元警察は逮捕した9人について、「過激派の思想を支持するテロ組織の構成員」と説明した。

声明によると。当局は警察幹部殺害にこの組織が関与したとして拠点を取り囲み、投降を促したという。その後、主犯格とみられる男が銃を乱射し、警察が応戦した。

国営テレビは組織の拠点とされる建物の内部を公開している。壁には弾丸の跡、床には薬きょうが散らばり、血が飛び散っていた。

警察は9人の罪状を明らかにしていない。警察官3人が死亡した経緯も不明だ。

ヨルダン王室は現在、燃料価格の高騰に抗議するトラック運転手のストと抗議デモに直面している。ストはいくつかの都市に広がり暴動に発展。警察とデモ隊が衝突し、多くの負傷者が出た。

警察によると、警察幹部は15日にマーン市内で銃撃され死亡したという。

王室は16日、デモに関する誤った情報が大量に拡散したとして、中国のソーシャルメディアアプリ「ティックトック(TikTok)」の使用を一時的に禁止すると発表した。

アブドラ・イブン・フセイン(King Abdullah II)国王は暴動と警察への攻撃を糾弾し、「無法者には断固とした措置を取る」と言明した。

ヨルダンの教会指導者たちは19日、亡くなった警察幹部に哀悼の意を表し、市民にクリスマスと新年のイベントを控えるよう呼びかけた。

ヨルダンは欧米の緊密な同盟国であり、中東で最も安定した国のひとつと見なされてきた。

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