▽シリア北部ではISISが拉致した人々の遺体や集団墓地が多数発見されている。
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カタールのチームと米連邦捜査局(FBI)が主導した捜索で、イスラム国(ISIS)に殺害されたと思われる30人の遺骨がシリア北部の辺境の町で発見された。カタール当局が12日、明らかにした。
それによると、FBIが捜索を要請し、現在身元を特定するためのDNA検査が行われているという。
カタール当局はFBIが誰を探しているか明らかにしなかった。
人権活動家やジャーナリストを含む数十人の外国人がシリア国内でISISに殺害され、どこかに遺棄されたと考えられている。
ISISのカリフ制国家は2019年に壊滅したものの、その残党はこの数年、イラクとシリアで活動を活発化させ、多くの死傷者が出ている。
ISISの元最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)は2014年にカリフ制を宣言したが、2019年にシリア北西部の米軍特殊部隊による攻撃で死亡した。
それ以来、シリア北部ではISISが拉致した人々の遺体や集団墓地が多数発見されている。
集団墓地は昨年12月の反乱で失脚したアサド前政権の支配地域でも見つかっている。
シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。14年間に渡る戦闘で多くの街が廃墟と化した。
アサド政権は長年にわたり、悪名高い治安・情報機関を使って反体制派を取り締まり、その多くが行方不明になっている。
国連は2021年、内戦下のシリアで13万人以上のシリア人が連れ去られ、行方不明になっていると推定した。