◎エルドアン氏はLGBTQを「変態」と呼んでいる。
2022年10月28日/トルコ、イスタンブールの河川敷(Francisco Seco/AP通信)

トルコエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は28日、次の世代におけるトルコのビジョンを示し、市民の権利と自由を保障する新憲法を制定すると誓った。

しかし、エルドアン氏はイスラム教のスカーフ「ヒジャブ」を着用する女性の権利を保護すると主張し、ヒジャブの着用義務化を匂わせている。

またエルドアン氏はLGBTQ+(性的少数者)の台頭に不満を表明し、伝統的な家族を保護すると約束した。

エルドアン氏はLGBTQを「変態」と呼んでいる。

多くの批評家が憲法改正にLGBTQの権利を抑圧する項目が含まれると懸念を表明している。

エルドアン氏の通称「トルコ新時代計画」は来年6月に行われる総選挙のマニフェストと考えられている。

2014年に首相から大統領に上り詰めたエルドアン氏は次の5年でトルコをより活気に満ちた自由な国にしたいと主張している。

エルドアン氏は計画の中で、「トルコを政治、経済、技術、軍事、外交において世界トップ10に入る国にし、エネルギーの自給率を高める」と約束した。

またエルドアン氏は、イスタンブールを縦断する運河の建設計画を推進すると誓った。政府はこの運河がボスポラス海峡の混雑を緩和すると説明しているが、環境保護団体は生態系に甚大な被害が出ると反発している。

エルドアン氏は「トルコの新世紀を力強くスタートさせたい」と述べている。

またエルドアン氏は現在の憲法が1980年の軍事クーデター後に起草されたことに触れ、「法の支配、多元主義、正義、平等を強化する新憲法を制定する」と約束した。「クーデター憲法の賞味期限は切れました!」

エルドアン氏は来週提出される憲法改正草案について言及し、「ヒジャブを被っていようと、裸であろうと、すべての女性の権利を保障し、変質的な脅威から家族制度を保護する」と主張した。

最新の世論調査によると、エルドアン氏の支持率は記録的な消費者物価指数(CPI)と反比例する形で低迷している。先月のCPIは前年同月から83.45%増となった。

アナリストはエルドアン氏は保守層の支持を集めるために反LGBTQの姿勢を取っているとみている。

エルドアン氏はロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領が提案した「トルコをロシアの天然ガス供給拠点にする」という計画を改めて支持した。

欧州諸国は今後、ロシア産ガスの輸入量を減らし続けると予想されるため、この計画は実現しそうにない。

2022年10月28日/トルコ、イスタンブールの広場(Francisco Seco/AP通信)
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