◎ソーシャルメディアにはプロハマスと呼ばれている活動家が爆弾気球を発射している写真と動画が複数共有された。
2021年7月18日/イスラエル、エルサレムのアル=アクサー・モスク周辺(AP通信/Mahmoud Illean)

イスラエルメディアによると、7月25日にパレスチナのガザ地区から焼夷弾を搭載した気球が複数発射され、イスラエルの南部地域で火災を引き起こしたという。

火災は少なくとも3カ所で確認されたと伝えられているが、死傷者が出たという情報はない。地元メディアはイスラム過激派組織ハマスとつながりのある活動家が爆弾気球を発射したと報じた。

ソーシャルメディアにはプロハマスと呼ばれている活動家が爆弾気球を発射している写真と動画が複数共有された。気球のひとつには「時間は限られている」というメッセージが書かれていた。

プロハマス活動家の爆弾気球攻撃はイスラエルで広範な怒りを引き起こし、一部の過激なユダヤ人活動家は「速やかに空爆を再開しなければならない」と呼びかけた。

イスラエルとハマスの紛争は11日間続き、双方は関係国の仲介などを受け停戦に合意した。

ハマスは壊滅的な被害を受けたガザ地区の復興にイスラエルがほとんど協力していないことに腹を立て、さらに、カタールのガザ地区への財政支援を再開するための交渉(イスラエル・カタール交渉)が遅れていることを非難した。

地元メディアによると、イスラエルのナフタリ・ベネット首相は爆弾気球攻撃を非難し、ハマスがロケット攻撃を仕掛けてきた場合は速やかに空爆を再開すると述べたという。

イスラエル・ガザ紛争のタイムライン

・4月13日:イスラエル警察とパレスチナ人が東エルサレムで衝突。パレスチナ人はイスラム教の聖なる月の最初の夜に東エルサレムのアル=アクサー・モスクで祈りを捧げる予定だった。

・4月15日:ハマスがイスラエルに向けてロケットを発射。

・4月19日:イスラエルの港湾都市ヤッファでアラブ人とユダヤ人が衝突。

・4月20日:ユダヤ人のギャングが、TikTokで共有された正統派ユダヤ人に対する偏見に腹を立て、アラブ人への攻撃を呼びかける。その後、ギャングとアラブ人は小競り合いを演じた。

・4月23日:保守的な数百人のユダヤ人が「アラブ人に死を」と叫びながらダマスカス門に向けて行進を行う。アラブ人は激しく反発し、衝突に発展した。

・4月24日:ガザ地区からロケットが発射される。イスラエル軍は空爆で応戦した。

・5月2日:ハマスがアラブ人に「人間の盾」を形成するよう呼びかける。

・5月4日:ガザ地区のイスラム過激派組織がイスラエルで焼夷弾攻撃を決行。各地で火災が発生した。

・5月7日:ヨルダン川西岸でイスラエル警察とパレスチナ人が衝突。パレスチナ人2人が射殺され、1人が負傷した。

・5月8日:東エルサレム周辺でイスラエル警察とアラブ人が衝突

・5月10日:アラブ人がイスラエル警察に対する投石攻撃を本格化させる。この日の衝突でアラブ人300人以上が負傷した。

・5月10日:ハマスがイスラエル南部へのロケット攻撃を開始。ネタニヤフ首相は声明で、「敵はレッドラインを越えた」と述べ、空爆開始を宣言した。

・5月21日:停戦協定発効。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびゴラン高原を占領したが、国際社会はこれを認めていない。

聖地エルサレムを奪われた数百万人のパレスチナ人はガザ地区とヨルダン川西岸地区に押し込められ、みじめな生活を送っている。

2021年5月17日/パレスチナ、ガザ地区、イスラエル軍の空爆の様子(ゲッティイメージズ/アナ・スババ/AFP通信)
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