◎中央政府は先月、全ての不法移民に対し、11月1日までに国外に退去するよう命じ、それ以降に残っている移民は拘束・強制送還すると警告していた。
2023年11月7日/アフガニスタン、パキスタンから逃れたアフガン難民(Getty Images/AFP通信)

パキスタン政府は13日、不法移民を強制送還する取り組みの一環として、アフガン国境に新たな検問所を3カ所開設した。

中央政府は現在、ビザを持たない不法移民を逮捕・国外追放する取り組みを進めており、この数週間でアフガン難民30万人以上がパキスタンを離れた。

政府は先月、全ての不法移民に対し、11月1日までに国外に退去するよう命じ、それ以降に残っている移民は拘束・強制送還すると警告していた。

国連はパキスタンに逃れた100万~200万人のアフガン難民が危機に直面していると警告。パキスタン政府はアフガン難民が弾圧されているという国際社会の批判を一蹴し、全ての不法移民が対象であると強調している。

アフガンを統治するタリバン暫定政権もパキスタンの措置を批判している。

現地メディアによると、国境警備当局は南西部バルチスタン州に新たな検問所を3カ所開設したという。これにより、アフガン難民を追い出す拠点は5カ所に増えた。

現在、約1万5000人のアフガン難民が毎日パキスタン国境を越えている。弾圧前は300人程度だった。

2年前にタリバン暫定政権が発足して以来、パキスタンでは治安部隊や市民に対するテロが急増。その大半にTTP(パキスタンのタリバン運動)が関与しているとされる。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、昨年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、当局への攻撃を強化した。

パキスタン政府はタリバンがTTPのような過激派をかくまっていると非難しているが、タリバンはこの主張を否定している。

パキスタンは長い間、何百万人ものアフガン難民を受け入れてきた。タリバンによる政権奪取後、50万人以上がパキスタンに逃れたと推定されている。

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