◎米国とイランが核開発に関する暫定的な合意に向けて準備を進めている?
2023年6月18日/イスラエル、エルサレムの首相官邸、ネタニヤフ首相(Ohad Zwigenberg/Pool/AP通信)

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は18日、イランの核開発に関する暫定的な合意に反対すると表明した。

ネタニヤフ氏は地元メディアが「米国とイランが核開発に関する暫定的な合意に向けて準備を進めている」と報じたことについて、「ミニ合意などあり得ず、いかなる合意にも断固反対する」と言明した。

米国務省はこの報道を否定している。

イスラエルのニュースサイト「Walla」は先週、匿名の情筋筋の話しとして、「ウラン濃縮を制限するいくつかの了解がすでに得られており、米当局はいくつかの資産凍結を解除した可能性がある」と伝えていた。

それによると、イランは制裁解除と引き換えにウラン濃縮を60%に制限することで暫定的に合意したという。

2018年に破綻したイラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けているとみられる。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

Wallaは「両国が受刑者の釈放についても議論している」と伝えている。

しかし、米国務省のミラー(Matthew Miller)報道官は先週、「そのような取引は存在しない」とし、報道を強く否定した。

Wallaはネタニヤフ氏が最近の議会委員会で暫定合意(草案とみられる)の詳細を明らかにしたと報じている。米国とイスラエルはイランの核開発を含む複数の国家機密を共有している。

ネタニヤフ氏はオバマ政権が仲介したイラン核合意に強く反対していた。トランプ(Donald Trump)前大統領はその想いに応え、2018年に合意から一方的に離脱した。

イランは生産したウランを民生用と主張している。

ネタニヤフ氏はそれを核兵器開発プログラムと呼び、過激派の核武装がこの地域の反イスラエル運動を過熱させ、戦争を引き起こすと警告している。

イスラエルはイランの核兵器製造を阻止するための軍事行動を排除しないとしている。

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