◎ヒズボラと主要なシーア派組織は昨年10月に職務を放棄したうえで、2020年8月のベイルート港爆発事故に関する調査の見直しを要求していた。
1月15日、レバノンを支配するイスラム過激派組織ヒズボラと主要なシーア派組織は、前例のない経済危機を悪化させた内閣ボイコットを終了すると約束した。
ヒズボラは共同声明の中で、「復興計画について協議する閣議に出席し、進行中の経済危機に対応する予算を承認する」と述べた。「ここ数週間の経済の悪化は特に深刻であり、関係機関と協議を進め、閣議に出席することを決めました...」
ヒズボラと同盟組織は昨年10月に職務を放棄したうえで、2020年8月のベイルート港爆発事故に関する調査の見直しを要求していた。
レバノンは近代史上最悪と呼ばれている経済危機の真っただ中にあり、貧困率は人口の90%近くに達し、通貨は暴落し、ハイパーインフレは国民の預金を紙屑に変え、失業率を前例のないレベルに押し上げた。
国際通貨基金(IMF)を含む主要な貸し手はレバノンの経済危機を「人災」と呼び、国を牛耳るヒズボラやその他のエリートと呼ばれる上級高官の汚職、腐敗、管理ミスが危機を招いたと非難し、融資を停止した。
ヒズボラはイランやイエメンのイスラム原理主義組織フーシ派などに兵器を提供しており、西側諸国から非難されている。
ヒズボラは爆発事故の調査を主導するタレク・ビータール判事を非難し、裁判所に解任を要求している。ビータール判事はこれまでに少なくとも4回異議申し立てに直面した。
ヒズボラとその同盟組織は爆発事故の責任を一部の港湾関係者に押し付け、責任を回避した。ベイルート港の倉庫に不適切に保管されていた硝酸アンモニウムは2020年8月4日に爆発し、消防士や子供を含む少なくとも214人が死亡、6,000人以上が負傷し、約30万人が住居を失った。
地元メディアによると、ビータール判事の調査は現在中断されているという。
昨年9月に就任したタカ派のナジブ・ミカティ首相はヒズボラとシーア派組織のボイコット終了を歓迎し、「復興予算を承認する準備はできている」と述べた。
ただし、この復興計画はIMFの融資を受けることを前提としているため、仮にヒズボラが承認したとしても、IMFが融資を認めなければ、計画はそこで行き詰まる可能性がある。
政府は昨年末、IMFとの新たな取引に向けた協議は2月末までに完了する見込みと発表し、その後、1月末までに取引を再開できると明らかにしたが、実現するかどうかは不透明な情勢である。IMFの代表団は数日中にレバノンを訪問する予定。