◎ゴーン容疑者は2018年11月に金融商品取引法違反で逮捕され、保釈中の2019年にレバノンに逃亡した。
2020年9月29日/レバノン、首都ベイルート、カルロス・ゴーン容疑者(Hussein Malla/AP通信)

レバノンの司法当局は30日、国際刑事警察機構(ICPO)などから指名手配されている元自動車王カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)容疑者を尋問したと明らかにした。

レバノン当局はゴーンに対するフランス検察の国際逮捕状を先月、ICPOからは10日前に国際逮捕手配書レッド・ノーティスを受け取っている。

レッド・ノーティスは逮捕状ではなく、レバノン当局にゴーンを逮捕するよう要請するものではない。レバノンがこの事件のレッド・ノーティスを受け取ったのは2回目で、1回目は2020年1月、ゴーンが日本から逃亡した数日後に発行された。

AP通信は司法当局者のコメントを引用し、「ゴーンはマネーロンダリングや日産・ルノーの資産を乱用した疑惑などで取り調べを受け、まもなく解放された」と報じている。

仏検察は先月、マネーロンダリングと会社の資産を乱用したとして、ゴーンと他の4人に対する国際逮捕状を発行した。

仏検察はルノー・日産の企業連合統括会社とオマーンの車両販売会社スハイル・バーワン・オートモービルズ(SBA)の間で行われたとされる1500万ユーロ(約21億円)の取引にゴーンが深く関与したとして捜査している。

AP通信によると、レバノンの裁判官兼検察官であるカバラン(Imad Kabalan)氏は仏検察に事件の詳細を提供するよう求め、「ゴーンがマネーロンダリングなどに関与したことが証明されれば、レバノンで裁判にかけられる」という見方を示したとされる。

日本とレバノンは引き渡し条約を結んでおらず、捜査は行き詰まっているものとみられる。地元メディアによると、レバノンを支配するイスラム過激派組織ヒズボラは旧宗主国フランスの逮捕要請に難色を示している模様。

ゴーンは先月、仏BFMテレビのオンラインインタビューの中で「レバノンから出国することを禁じられている」と明らかにしていた。

ゴーンはレバノン、フランス、ブラジルの市民権を有している。

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