◎レバノン政府、軍、イスラム教シーア派組織ヒズボラはコメントを出していない。
レバノンとイスラエルの国境付近、イスラエル軍の空爆(Getty Images)

パレスチナ政府関係者は31日、レバノン東部にあるパレスチナ派の拠点がイスラエル軍の空爆を受け、少なくとも5人が死亡、10人が負傷したと明らかにした。

同政府関係者はAP通信の取材に対し、「イスラエル軍はパレスチナ解放人民戦線(PFLP)の拠点にミサイルを撃ち込み、少なくとも5人を殺害した」と語った。

しかし、APの取材に応じたイスラエル政府高官はこの主張に異議を唱え、関与を否定した。

レバノンの政府系メディアは「国境付近の軍事基地内で爆発があったものの、空爆ではない」と報じている。

PFLPの報道官はAPに、「イスラエル軍はシリア国境に近いレバノン東部の町にある拠点を空爆した」と述べ、負傷した10人のうち2人が重体と明らかにした。

レバノンに拠点を置くPFLPの別動隊は「適切な時期に報復する」と声明を出している。

レバノン政府、軍、イスラム教シーア派組織ヒズボラはコメントを出していない。

イスラエル軍は今年4月、レバノンの武装勢力がイスラエル領内に向けてロケット弾約30発を発射したことを受け、同国南部を空爆した。

イスラエル軍は当時の声明で、「レバノン南部に潜伏するパレスチナのイスラム過激派組織ハマスの拠点を空爆した」と述べていた。

PFLPはレバノンとシリアの国境沿いに軍事拠点を置いているとみられる。

2006年のレバノン侵攻ではレバノンの市民1000人以上とイスラエル人159人が死亡した。ヒズボラはイスラエルに越境攻撃を仕掛け、イスラエル兵8人を殺害。イスラエル軍はこれに空爆で応戦、戦争が勃発した。

両国はこの戦争後も何度か小競り合いを演じてきたが、大きな戦闘には至らなかった。

国連は公式には戦争状態にあるレバノンとイスラエルの国境「ブルーライン(停戦ライン)」に沿って平和維持軍を展開している。

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