▽イスラエル軍は1月21日からヨルダン川西岸で大規模な対テロ作戦を継続中。ジェニンやトゥルカレム難民キャンプなどが標的となり、多数の死傷者が出ている。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/2025年2月5日/パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプ(AP通信).jpg)
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は11日、イスラエル軍によるパレスチナ・ヨルダン川西岸地区での対テロ作戦で約4万人が移住を余儀なくされたと明らかにした。
イスラエル軍はこの日、ジェニン難民キャンプの複数の建物を襲撃し、少なくとも3人を逮捕、10数軒の家屋を重機で取り壊した。
UNRWAは声明で、「イスラエル軍は対テロ作戦という名目でパレスチナ人をジェニンから強制移住させ、乗っ取ろうとしている」と非難した。
またUNRWAはジェニンとその隣接都市を標的としたイスラエル軍の作戦が始まって以来、空爆などにより100人近くが死亡または行方不明になっていると述べた。
イスラエル軍は1月21日からヨルダン川西岸で大規模な対テロ作戦を継続中。ジェニンやトゥルカレム難民キャンプなどが標的となり、多数の死傷者が出ている。
UNRWAはジェニン、トゥルカレム、ヌルシャムスなど、多くの難民キャンプが標的となり、そこで生活していた人々が移住を余儀なくされていると指摘。この対テロ作戦を2000年代初頭の第2次インティファーダ(反イスラエル闘争)以来の規模と評した。
UNRWAによると、イスラエル軍の標的となった4つのキャンプには合わせて約7万6600人が住んでいたという。
UNRWAは声明の中で、「イスラエル軍による執拗な破壊行為によって、これらの難民キャンプは居住不可能となり、住民は移住を余儀なくされている」と非難した。
またUNRWAはイスラエル軍が今年に入ってヨルダン川西岸で38回空爆を実施したと明らかにした。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、ヨルダン川西岸では今回の対テロ作戦で少なくとも70人が死亡し、うち少なくとも44人はジェニンやトゥルカレムでの作戦に関連したものだという。パレスチナ保健省もこれに近い数を報告している。
UNRWAはイスラエルに対し、民間人と民間インフラを保護するよう強く呼びかけ、「集団的懲罰は許されず、容認しない」と述べた。