◎イスラエル兵は数千人が集まっていた配給所の一部エリアに向けて発砲したとみられる。
2024年3月21日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部の配給所(Getty-Images)

イスラエル軍の兵士がパレスチナ・ガザ市の食料配給所に集まっていた群集に向けて発砲し、少なくとも19人が死亡した。ガザ保健省が23日、明らかにした。

それによると、イスラエル兵は数千人が集まっていた配給所の一部エリアに向けて発砲したという。この銃撃により、少なくとも19人が死亡、23人が重軽傷を負った。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは目撃者の話しとして、「イスラエル軍の戦車部隊が小麦粉の袋を持った群集に向けて機関銃を乱射した」と伝えているが、真偽は不明だ。

ガザ保健省は声明で、「市民に対する激しい銃撃があり、少なくとも23人が市内の病院に搬送された」と明らかにした。

ガザの医療システムは崩壊寸前で、この23人も屋外で治療を受けたとされる。

同省はイスラエル軍を非難。「配給所に集まった非武装の市民に向けて発砲するなど言語道断、戦争犯罪、大量虐殺だ」と断じた。

現場を目撃した男性はアルジャジーラの取材に対し、「突然銃撃を受け、パニックになった」と語った。「列に並んでいた数人が危ないと叫んだ直後、銃声が聞こえました...」

ガザ当局は先週、北部で人道支援を待つ群集が砲撃・空爆を受け、23人が死亡、数人が負傷したと発表。イスラエル軍は非武装の市民が殺害されたというパレスチナ側の主張を否定した。

軍の報道官は声明で、「イスラム組織ハマス寄りのメディアによるプロパガンダに騙されるな」と主張した。「予備調査の結果、空軍が群衆を空爆したという事実は確認されず、砲撃もありませんでした...」

パレスチナ側の死者は3万2000人を超え、今も増え続けている。

国連は今週、総合的食料安全保障レベル分類(IPC)報告書を更新。ガザの住民に安定して食料を供給できるような停戦が実現しない場合、3月中旬から5月末でに「未曽有の大飢饉」が発生する可能性があると警告した。

それによると、ガザ北部の状況は今後1ヶ月半以内に、IPCの最高段階であるフェーズ5に引き上げられる見込み。

▽フェーズ1:食料が十分にある状態
▽フェーズ2:食料不安
▽フェーズ3:急性食料不安
▽フェーズ4:人道的危機
▽フェーズ5:飢饉

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