◎パレスチナ保健省は21歳の男性が胸を撃ち抜かれ死亡したと報告している。
パレスチナ人を取り締まるイスラエル警察(Getty-Images)

イスラエル軍は7日、ヨルダン川西岸地区で取り締まりに当たっていた部隊が火炎瓶を投げつけられ、小競り合いが発生したと報告した。

軍報道官によると、部隊は7日早朝、北部の難民キャンプで指名手配犯を逮捕した際、火炎瓶を投げつけられたという。部隊は攻撃に関与したとされる男性を射殺した。

パレスチナ保健省は21歳の男性が胸を撃ち抜かれ死亡したと報告している。

パレスチナのイスラム過激派組織「イスラム聖戦」は声明を発表。死亡した男性を殉教者と呼んだが、組織の戦闘員かどうかは明らかにしなかった。

イスラエルと欧米諸国はイスラム聖戦をテロ組織に指定している。

殺害された男性の弟はAP通信の取材に対し、「兄は午前5時に自分を起こし、近くにイスラエル軍がいると言った」と語った。

2人はイスラエル軍を確認するために外出し、事件に巻き込まれた。弟は「兄は武器を携帯していなかった」と説明した。

弟によると、死亡した男性はイスラム聖戦を支持していたが、戦闘員かどうかは分からないという。

イスラエル軍は今年3月以来、ヨルダン川西岸地区でほぼ毎日武装勢力の拠点や難民キャンプを襲撃し、地域の緊張を高めている。

この数カ月でパレスチナ人数十人が殺害されたが、アルジャジーラによると、その一部は戦闘に巻き込まれた一般市民だという。

アルジャジーラのベテラン記者、シリーン・アブ・アクレ(Shireen Abu Aqleh)氏は今年5月、イスラエル軍の取り締まりを取材中、何者かに射殺された。

イスラエル政府は5日、アクレ氏の死に関する調査で、イスラエル兵が誤って同氏を撃った可能性が高いと認めた。

アクレ氏は事件発生時、報道関係者であることを示すベストとヘルメットを着用していた。またアルジャジーラや人権団体が調査した結果、アクレ氏が射殺された場所の近くで戦闘は発生していなかったという。

イスラエル政府はパレスチナ自治区での取り締まりを「テロ組織との戦い」とし、市民の命と国家の安全を守るためのものと主張している。

一方、パレスチナはこれを「占領者による弾圧」と呼び、侵略戦争で奪い取った領土を堅持するためのものと非難している。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。

ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられたパレスチナ人数百万人は今もみじめな生活を送っている。

スポンサーリンク