◎イスラエル軍はヒズボラの施設や武器庫など、1600カ所以上を空爆したと主張している。
2024年9月25日/レバノン南東部のシリア国境近く(AP通信)

レバノン保健省は26日、過去4日間のイスラエル軍による空爆の死者が700人近くに達したと明らかにした。

イスラエル軍はこの1週間、レバノン南部や首都ベイルートのヒズボラ拠点を多数空爆。同省によると、東部の住宅地に26日、ミサイルが着弾し、少なくとも20人が死亡したという。

さらにベイルート南部郊外のアパートも攻撃を受け、2人が死亡、15人が負傷した。

イスラエル軍は26日、この空爆でヒズボラのドローン部隊を率いる司令官を殺害したと発表した。

レバノン当局は26日の報告で、過去24時間の空爆により、少なくとも60人が死亡、81人が負傷、22日以降の死者数が696人にのぼったと明らかにした。

イスラエル軍はヒズボラの施設や武器庫など、1600カ所以上を空爆したと主張している。

イスラエルとヒズボラは昨年10月にガザ紛争が始まって以来、国境付近でほぼ毎日交戦。今週の空爆は過去最大規模となった。レバノン側の過去11カ月の死者は1500人を超えている。

現地メディアによると、26日のベイルート空爆後、数十発のロケット弾がイスラエル北部に向けて発射され、そのうち1発が町の通りに着弾したという。

イスラエル軍は声明で、「ヒズボラが175発のロケット弾を発射し、そのほとんどが撃墜されたか、何もない空き地に落下し、山火事が発生した場所もあった」と述べた。

イスラエル軍は前日、ヒズボラがさらなる攻撃を計画しているとして、地上侵攻に踏み切る可能性を示唆。ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は26日、「目標を達成するまでヒズボラへの攻撃を止めるつもりはない」と言明した。

イスラエルとヒズボラは2006年夏に1ヶ月に及ぶ戦争(レバノン侵攻)を繰り広げた仇敵である。

イスラエルは宿敵イランの支援を受けるヒズボラを国家安全保障上の最大の脅威の1つとみなし、秘密裏に核開発を推し進めてきた。

イスラエルは核弾頭(地上発射型ミサイル)を80~100発保有していると推定されるが、その保有を認めたことは一度もない。

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