◎ガザ地区の保健当局によると、死亡者は子供27人と女性11人を含む103人に達し、少なくとも530人が負傷したという。
2021年5月13日/イスラエルとガザ地区の国境付近、イスラエル軍の砲兵部隊(AP通信/Ariel Schalit)

5月13日、イスラエル軍はガザ地区を支配するイスラム過激派組織ハマスへの空爆と砲兵部隊による攻撃を強化し、町を破壊した。エジプトの交渉担当者は双方と直接会談し戦闘の終結を試みたが、攻撃はエスカレートしている。

ガザ地区の保健当局によると、死亡者は子供27人と女性11人を含む103人に達し、少なくとも530人が負傷したという。ハマスは上級司令官13人の死亡を認め、他のジハード組織の幹部も7人死亡したと伝えられている。

イスラエルでは7人が死亡した。その中には対戦車ミサイルで死亡した兵士1人と6歳の子供が含まれている。

現地メディアによると、13日の夕方頃からイスラエル軍の戦車部隊の攻撃が始まり、数十人が自宅を追われたという。イスラエルは地上作戦の開始を検討していると伝えられている。

2014年のガザ戦争の戦闘エリアはごく一部に限られていたが、今回の戦闘は2000年の蜂起以来の規模になっている。2000年のインティファーダは5年以上続いた。

今回の戦闘は、東エルサレムの聖なる丘の上に建設された施設でイスラエル警察とパレスチナ人の衝突が激化したことで引き起こされた。イスラエル警察は先月、ラマダンの開始に合わせてアル・ハラム・アル・シャリフ(高貴な聖域)と呼ばれるエリアを訪れたパレスチナ人を厳しく取り締まり、衝突に発展した。

その後、イスラエルの保守的な民族主義者は東エルサレム(旧市街と聖地の本拠地)を取り戻した戦争の勝利を例年以上に盛大に祝ったが、多くのパレスチナ人はこれを挑発と見なし、激怒した。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびゴラン高原を占領した。以来、ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられた数百万人のパレスチナ人はみじめな生活を送っている。

世界の指導者たちは暴力を非難し、抑制を促した。

エジプトの交渉担当の訪問は停戦協定を結ぶ重要な進展だった。AP通信によると、エジプトの当局者は、首都テルアビブのイスラエル当局と会談する前にガザ地区でハマスの指導者と会談したという。しかし、イスラエルとハマスは後退せず、戦闘は続いている。

2021年5月13日/パレスチナ、ガザ地区(ゲッティイメージズ/AFP通信
2021年5月13日/パレスチナ、ガザ地区北部の町ベイトラヒア(AP通信/Khalil Hamra)

イスラエルは、ガザ地区で死亡した数十人はジハード軍であり、一部はハマスが発射したロケットの爆発に巻き込まれたと主張している。

イスラエル軍は13日の声明で、「ハマスの標的を600回以上攻撃した」と述べた。「私たちはジハード軍が使用する住居、企業、トンネルなどを破壊しました...」

地元メディアによると、イスラエル軍はガザ地区に対する地上攻撃を関係機関に要求したという。地上作戦は議会や政府を含む様々な機関の承認を得る必要がある。

イスラエルのベニー・ガンツ国防相は13日、予備兵9,000人の召集を承認した。軍のスポークスマンによると、予備兵を含む兵士たちはガザ地区の国境付近に集まっているという。

イスラエル軍のヒダイ・ジルバーマン将軍は公共放送KANの取材に対し、「部隊は地上作戦の準備を始めている」と述べた。「戦車、装甲兵員輸送車、そして兵士数千人は国境付近で待機しています」

専門家は「地上作戦の開始は時期尚早」と警告したうえで、「ネタニヤフ政権は国際社会の動きと国内世論を注視している」と述べた。

現地メディアによると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はガザ地区からイスラエルに到達した1,200発のロケットの90%を迎撃したと述べたという。ネタニヤフ首相はアイアンドームミサイル防衛システムの本部基地を訪問したと伝えられている。

ネタニヤフ首相は声明の中で、「目標を達成する」と述べた。「イスラエルは目標を達成します...達成には時間がかかるでしょう。私たちは平和を取り戻すために戦います」

地元メディアによると、ネタニヤフ政権は12日深夜に空爆の強化を承認したという。

ガザ地区の一部の住民は、ラマダンの終わりの休日であるイド・アル=フィトルを祝うと同時に町を破壊し、イスラエル警察と衝突した。

ネタニヤフ首相と電話会談した米ジョー・バイデン大統領は暴力の終結を望んでいると述べた。ホワイトハウスによると、バイデン政権はエジプト、ヨルダン、カタールなどの近隣諸国とパレスチナとの協議に向けた取り組みを継続するという。

ハマスの高官は地元メディアの取材に対し、「国際社会がイスラエルにエルサレムのアル=アクサー・モスクでの軍事行動を抑制するよう圧力をかけた場合、ハマスは停戦に向けた交渉の開始を検討する」と述べた。

しかし、タイムズ・オブ・イスラエルによると、イスラエル軍のジルバーマン将軍は、「イスラエルは現時点では停戦を求めていない」と述べたという。

イスラエルはエルサレム全体を首都と見なしているが、パレスチナ人は東エルサレム(旧市街と聖地の本拠地)はパレスチナの首都と主張している。

2021年5月13日/イスラエル、エルサレムの旧市街にあるアル=アクサー・モスク(AP通信/Mahmoud Illean)
2021年5月13日/パレスチナ、ガザ地区、イスラエル軍の空爆の様子(AP通信/Hatem Moussa)

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