イスラエル軍がシリアの軍事本部を攻撃、ドルーズ派めぐり緊張高まる
シリア南部スワイダのドルーズ派が多数派を占める地区では暴力が激化し、数十人が死亡する事態となっている。
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イスラエル国防軍(IDF)は16日、シリア・ダマスカスにある軍事本部の「入り口」を攻撃したと発表した。
シリア保健省の報道官は国営シリア・アラブ通信(SANA)の取材に対し、この空爆で少なくとも1人が死亡、18人が負傷したと語った。
シリア南部スワイダのドルーズ派が多数派を占める地区では暴力が激化し、数十人が死亡する事態となっている。
イスラエルはドルーズ派を攻撃した勢力に撤退を命じ、応じなければ爆撃すると警告していた。
シリア軍はドルーズ派と衝突したアラブ遊牧民ベドウィンを抑え込もうとしている。
ドルーズ派はイスラム教シーア派の分派のひとつ。世界の約100万人のドルーズ派の半数以上がシリアに住んでいる。
他のドルーズ派のほとんどは1967年の第三次中東戦争でイスラエルがシリアから奪取し、1981年に併合したゴラン高原を含むイスラエルに住んでいる。
IDFは声明で、「我々はシリア南部のドルーズ派民間人に対する暫定政府の動向と行動を引き続き注視している」と述べた。
イスラエルは暫定政府に対し、ドルーズ派地域に軍隊を派遣しないよう警告。夜間外出禁止令を施行するためにそこに移動しようとした国軍を爆撃したようだ。
シリアでは4月と5月にもドルーズ派を巻き込む衝突やテロが相次ぎ、数十人が死亡している。
暫定政府は少数民族、特に北東部のクルド人や南部のドルーズ派との政治的和解を達成するのに苦労している。